yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

薄気味悪い サッカーW杯日本チームへの期待

 サッカー・ワールドカップ第一次予選リーグで日本が敗退した。敗因について、日本が得意のサッカーの型に持ち込めなかった、といった議論がよくきかれる。あるいは本田、香川らが活躍できたらという声もある。しかし今回の予選リーグの相手であるコロンビアはFIFAランキング8位、ギリシャ12位、コートジボワール23位。それに対して日本は46位1)。そもそも段違いの実力差である。今回はその順当な結果と言って良い。FIFAランキングがデタラメでないとしたら、本田、香川を考慮しての40位代半ばであろう。本田が、香川が... という話ではそもそもないと考えるべきである。

 根本的な問題はかつて、2005年頃には15~20位前後であった日本のFIFAランキングが、その後50位近くまで下落してしまったことであろう。一所懸命サッカー記事を追っている訳ではないので見逃しているだけかも知れないのだが、少なくともちらっと目にした範囲では、日本のFIFAランキングの低迷に対してその原因分析をしているような記事は見かけなかった。

 それと、「優勝する」という本田のビッグマウス、これはもちろん競技者として、例え客観的には到底優勝する見込みがないにせよ「優勝する」気概で頑張るというのはもちろんのことであろう。ただ問題は、それを、メディアやネット世論が真に受けた点である。私には、かつて、客観的に見て勝つ見込みのないアメリカとの戦争に無謀にも乗り出した当時の日本がオーバーラップする。「本田や香川が活躍さえしてくれれば...」という台詞も「神風が吹いてくれさえすれば...」という当時の台詞を想起させて薄気味悪い。内田篤人選手の日本代表選手引退発言も2)、そのような薄気味の悪い根拠なき過剰な期待・プレッシャーに対する反発・抵抗ではなかったのか。

 何よりも幸いなのは、これがサッカーであって戦争でなかったこと... その一点に尽きる。

1)データ出所 FIFA 世界ランキング公式Webページ ランキングデータは2014年6月のもの

http://www.fifa.com/worldranking/rankingtable/index.html

2)「 内田篤人、日本代表引退の可能性を示唆『ずっと思っていた』」サッカーキング, 2014.6.25記事

http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20140625/205319.html?view=more