yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2008-01-01から1年間の記事一覧

ソウル黄鶴洞中古ビデオ街全滅

このほど3年ぶりに韓国ソウルへ行って来た。とにかくソウルの変化は早い。3年前の地図がほとんど役に立たないほど。今回新しくソウルの市街地図も買ってきたが、地図には再開発計画予定地が目白押しで掲載され、3年後には今の地図も役に立たないだろう。 …

映画『太白山脈』韓国版DVDのバージョンについて

イム・グォンテク監督の映画、『太白山脈』(1996年)の韓国版DVDには現在2つのバージョンがある。スペクトラムDVDから最初に発行されたバージョン(2006年2月発行)と(但しスペクトラム版の在庫品は継続してテウォンから発売されている)、スペクトラムDVDがテウ…

海外版DVDでしか見られない日本映画 - 『出所祝い』

東宝製作という異色のやくざ映画、『出所祝い』。当時のやくざ映画ブームということでフジテレビから五社英雄を監督に迎えて製作され、東宝初の任侠映画だったそうだ。さらに異色なのは仲代達也が主役のヤクザ役という点。おそらく仲代がヤクザを演じている…

1969年当時の韓国の暮らしぶりの貴重な証言映画 『修学旅行』

セマウル運動開始前夜の1969年度製作の韓国映画。監督は『誤発弾』のユ・ヒョンモク。内容は韓国の島の子供たちが苦労してソウルに修学旅行に行き、見るのも聞くのも初めての様々なものに触れ驚く様が描かれたコメディ映画。主演は「韓国のフランキー堺」、…

コストパフォーマンスの高い電動スクリーン

3年程前に買った、プロジェクター用120インチ相当のスクリーン。寝室においてある。 それまではサンヨーのプロジェクターに4:3の対角で80インチのスクリーンで映画のDVDなどを見ていたのだが、どうしても劇場で見るスケール感とかけ離れているので、もっと大…

民族クレンジングを批判する反戦映画 『目撃者(Svjedoci))』 - クロアチア

本作品はクロアチア紛争(旧ユーゴスラビアの構成国であったクロアチアとセルビア間の紛争 1991-95)における民族間の憎悪と反目を批判的に扱った反戦映画。日本未公開。 映画の舞台は1992年、セルビアとの紛争の前線にほど近いクロアチアのある町。3人の酔っ…

台湾蘭嶼島の先住民の暮らしを描く『飛び魚を待ちながら(等待飛魚)』

2005年に製作された蘭嶼(ランユイ)島を舞台としたラブストーリー。監督は女性である曾文珍(ツェン・ウェンチェン)。日本では第18回TIFF(2005年)および2006年アジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映されている。 ビフォンは調子のいい先住民タオ(ヤミ)族の青…

万人に勧められる傑作映画 チャン・ヤン監督『帰郷(落葉帰根)』

『スパイシー・ラブスープ』『こころの湯』『胡同のひまわり』が既に日本で公開されているチャン・ヤン監督の2007年作。日本では2007年にTIFFで公開されたのみ。ちょっと残念である。彼の映画製作の手腕はますます手慣れてきて、既に大家の風格あり。間違い…

チャン・ツォーチ監督久々の新作『蝴蝶』- 台湾映画

チャン・ツォーチ監督が昨年末久々に発表した『蝴蝶』の台湾盤DVDが発売された(台湾での一般公開は本年6月)。彼の新作はおそらくNHKも出資して製作された『美麗時光』(2001)以来ではないだろうか?彼はホー・シャオシェンの『悲情城市』の助監督についたよう…

チャン・ツォーチ監督久々の新作『蝴蝶』- 台湾映画

チャン・ツォーチ監督が昨年末久々に発表した『蝴蝶』の台湾盤DVDが発売された(台湾での一般公開は本年6月)。彼の新作はおそらくNHKも出資して製作された『美麗時光』(2001)以来ではないだろうか?彼はホー・シャオシェンの『悲情城市』の助監督についたよう…

台湾のファンタジー映画『壁を抜ける少年』

昨年TIFFに出品された鴻鴻(ホンホン)監督の『壁を抜ける少年』の台湾版DVDが発売された。この作品は近未来ファンタジー映画。鴻鴻監督の作品はこれが初見だが、彼のセンスは日本でいえば大林宣彦とかなり共通するものがあるような印象を受けた。 時は近未…

新聞は「読まない」ではなく「読めない」

麻生内閣の支持率が下降の一途をたどっている。当然だろう。そもそも資質に問題があったのだから。 麻生内閣発足に先立つ9月に既にダイアモンドオンラインで麻生太郎の資質に疑問を呈する記事が出ていた。 「麻生太郎・自民党新総裁は宰相の器か」 http://di…

マニ・ラトナム監督タミール語映画 - 『A Peck on the cheek(ほおにキッス)』

スリランカの主流派であるシンハラ人と反政府派タミール人との間の紛争を題材にしたインド映画。 アマンダはタミール人とシンハラ人の間の紛争のためインドに避難してきたタミール系スリランカ難民の娘。母親はインドに到着するや否やアマンダを産み落とした…

台湾 上河文化社で地図の大幅割引セール

台湾で、全土の5万分の1地図や、日本の植民地時代の地形図の復刻版を出している上河文化股份有限公司で今月末までの期間限定で地図大幅割引セールを行っている。 http://www.sunriver.com.tw/ 日本へも通信販売をしてくれるが、その場合はsun@sunriver.com.…

イ・ジュニク+チェ・ソックヮンコンビ第5作『あなたは遠いところに』 - 韓国映画

『黄山原』以降続くイ・ジュニク監督+チェ・ソックヮン脚本コンビの『楽しい人生』に続く第5作(イ・ジュニク監督としては第6作)で本年度(2008)公開の作品。このコンビの作品は特に人間洞察の深さに見るべきものがあるが、今回の作品は特に含蓄が深く、ま…

AmazonでCriterionセール中

Amazon.comでCriterion Collectionの最大44%引きセールを行っている。 12/15までだそうなので、購入を考えている方はお早めに。 http://www.amazon.com/gp/feature.html?ie=UTF8&plgroup=1&docId=1000305001&plpage=1

フランスのアルジェリア移民文化摩擦を描く映画 『インシャラー・ディマンシュ』

先日紹介した『大いなる旅』と同様フランスとアラブの国との共同製作映画で、こちらはアルジェリア。アルジェリアのフランスからの独立後、1960年代のフランスは経済成長により足りなくなった労働力を補うため、外国となったアルジェリアを含む旧植民地であ…

王小帥監督『左右』の英語字幕付きDVD

日本では今ひとつ注目されない王小帥(ワン・シャオシュアイ)監督作品だが、彼の昨年の作品でベルリン映画祭でエキュメニック賞を受賞した『左右(英題: IN LOVE WE TRUST )』の英語字幕付きDVDのリリースがアメリカで予定されている。中国本土では既にDVDが発…

『ミスターマンマ』 - 韓国の男性育児啓蒙映画

監督カン・ウソク、製作シン・チョルという1990年代の韓国映画を引っ張っていったゴールデンコンビによる申シネ製作の1992年度韓国映画。この二人は、現在はバラバラに活動してはいるが、当時は『幸福は成績順じゃないでしょう』、『トゥーカップス』など、…

今時台湾の反日映画『插天山之歌』

台湾=親日という思い込みを持っている人は多いだろう。しかし先日の尖閣諸島領有を主張する団体の行動に対する馬英九政権の対応を見る様に必ずしもそうとは言えない。実は1970年代、80年代には盛んに反日、抗日映画が作られた時期もあった。その代表格は本…

『マヨネーズ』に見る辞書にない韓国語2 - 映画の中の韓国語 No. 8

用例: 척하면 삼척이지 出典: 『マヨネーズ』10'10" 意味: これといったら三陟だ(見なくても分かる、明らかだ) 曺喜澈著『韓国語 辞書にない俗語慣用表現』(2004,白帝社)にあり 用例: 소도 비빌 언덕 보고 눕는다꼬(고) 出典: 『マヨネーズ』46'20" 意味: …

『流浪神狗人(神も人も犬も)』 - 台湾映画

2007年、女流のチェン・シンイー監督による台湾映画。国内では2008年9月アジアフォーカス・福岡国際映画祭で『神も人も犬も』の題名で上映されたようだ。最近の台湾映画はチェン・ウェンダン監督の『深海 Blue Cha Cha』など人間の心理的な側面に焦点を当て…

キム・ギヨン式文芸映画 『異魚島』

奇才キム・ギヨン監督の1977年作品。この頃の韓国の映画市場は国産映画に人気がなく洋画ばかりに人気が集まる状況であった。この状況に対し韓国政府は反共映画もしくは社会的視線の欠落した優秀な芸術映画を製作した映画会社に対し映画輸入枠を割り当てる映…

厚生省元次官殺人事件に寄せて

嫌な事件が起きたものだ。今の段階で犯人は分からないが、ひょっとすると2.26事件や5.15事件を気取って起こしたテロなのではないかという気がする。「国民の不興を買ってる悪徳厚生労働省の元幹部に天誅を」と事件を起こせば国民の支持を得られる...何かそん…

韓国のタルトンネを描く映画  『1番街の奇跡 』

『頭師父一体(ボス・マイ・ヒーロー)』、『色即是空(セックス・イズ・ゼロ)』の頭師父フィルムの作品。監督、主演とも『色即是空』のメンバーが再結集。『色即是空』はシモネタ全開コメディーであったが、本作品は意外にも社会派コメディとなっている。考え…

韓国シャーマニズムを描くドキュメンタリー映画『間にて』

日本では恐山のイタコや、沖縄のユタなどに僅かに残るシャーマニズム。しかし韓国では現代でも人々の精神生活を支える影の存在として未だ大きな影響力を持っている。とは言え韓国のシャーマニズムを司るムーダン(巫堂)は、崇められる存在であると同時に蔑ま…

『楽しい人生』に見る辞書にない韓国語 - 映画の中の韓国語 No. 7

화상아 使用例: 난 매일 힘들고, 매일 후회 한다. 이 화상아, 어! 訳: 私は毎日辛く、毎日後悔しているわ。 このお気楽者! 状況: 失業者になっても、「今の暮らしを後悔しない」などと書いた歌詞を作っている夫を見て、家族の生活を支えている妻が夫に言う言…

アラブ系移民親子のメッカ巡礼の旅を描いた映画『大いなる旅(le Grand Voyage)』

フランスのモロッコ系移民の親子の、メッカへの巡礼の旅を描いたロードムービー。ロードムービーは数多いが、おそらく西欧で制作されたロードムービー中、メッカ巡礼を題材にしたものはほとんどないだろう。ひょっとすると初めてかも知れない。それを宗教的…

松竹全面支援で作成された朝鮮映画『漁火』

「発掘された過去」第2弾の最後は、『漁火(어화)』。極光映画製作所第1回作品とあるが、これはどうも松竹の子会社らしく、監修は島津保次郎、音楽は松竹管弦楽団、編集はなんと吉村公三郎、とポストプロダクションの技術スタッフは松竹大船の面々で固めてい…

植民地下朝鮮最初の「親日」映画 『軍用列車』

再び、『発掘された過去』第2集より映画紹介。 本集収録の2番目の映画は1938年製作の『軍用列車』。付属のパンフレットの記述によると、本作品は植民地下朝鮮最初の「親日(反民族的)」映画だということだが、逆に言えば1938年まで親日映画は作られなかったと…