yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2011-01-01から1年間の記事一覧

『(ハル)』 - 追悼森田芳光監督

今年(2011)もわずかばかりとなった先日、残念なニュースが飛び込んだ。森田芳光監督が、2011年12月20日急逝したというニュースだ。C型肝炎による急性肝不全だったという。森田芳光作品というと、やはり松田優作の三流私大の留年生という特異なキャラクターの…

12月韓国盤DVD化、韓国映画評

2011年12月以降に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日(1月以降はYes24の発行日記述による)、分野はシネ21の区分…

YesAsia韓国撤退?

香港に本拠を持つビデオディスク、書籍等通信販売サイト、YesAsiaから、来年1月1日以降の韓国予約商品の案内が消えている。どうやら韓国から撤退するのではないかと思われるが... 確かに、私自身最近、YesAsiaから韓国製品を買うよりは、ダイレクトに韓国内…

『Never Forever』 - 韓国人監督が米国で撮った異文化摩擦がらみの三角関係を描いた映画

韓国人映画監督、キム・ジナがアメリカで撮影した作品。在米僑胞と結婚したアメリカ白人女性の心の彷徨を描いた作品。 ソフィア(Vera Farmiga)は、成功した弁護士である韓国系米国人アンドリュー・リー(David Lee McInnis)と結婚している。彼女は夫を愛して…

『嘘ついてもいいですか?』 - 日本人の知らないユダヤ人ギャグコメの世界

1997年フランスのB級コメディ映画。日本人にとってはユダヤ人もそれ以外の西欧人も大して区別がつかないが、我々の未知の世界であるヨーロッパ人によるユダヤギャグ全開のコメディ映画。舞台はパリのテキスタイルで有名なセンティエ街のユダヤ人コミュニティ…

韓国映画『ブラインド』 - アイディア&脚本の勝利

2011年公開の韓国映画。盲目の女性が殺人事件に巻き込まれ「目撃」者になるという刑事&ミステリー映画。 孤児院「希望の家」出身で優秀な警察官になったスア(キム・ハヌル)は、孤児院の弟分ドンヒョン(パク・ゴボム)を補導中交通事故を起こして、彼を死なす…

KBS9時のニュースより北朝鮮関連報道

・李明博大統領は、北朝鮮を敵対視しないとの態度を表明 ・北朝鮮は本日、キム・ジョンウンによる遺勲統治を公式に発表 ・北朝鮮は本日3時、韓国側の民間弔問団受け入れを通告。訪問は12月26,27日ごろになる模様。訪問団は、金大中元大統領夫人、および金剛…

KBSニュースより、金正日関連動向

・韓国与野党間で弔問団を送るべきかどうか論争中。政府の公式弔問団は送らず民間弔問団の派遣は容認の方向。 ・軍事的には北朝鮮側の突発的な動きは確認されていない ・韓国の人権団体が江原道から、統一に向けて立ち上がるよう北朝鮮市民に呼びかけるチラ…

『アフガン・スター』 - アフガニスタンのポップカルチャーに命を懸ける人々の姿を描く

2009年、イギリス、チャンネル4出資で製作されたドキュメンタリー映画。アフガニスタン最初の歌手オーディション番組、「アフガン・スター」を追った作品。 タリバン支配(1996-2001)の終ったアフガニスタンでは人々は娯楽に飢えていた。なぜならばタリバンは…

金正日死去

単純に、これで北朝鮮が良くなると喜んでいる人もいるだろうが、橋本大阪市政と同じでどちらに転ぶかは分らない。ともあれ賽は投げられた。 金正日体制は、金正日さえ説得できれば鶴の一声でどうでも転がる余地があったが、もはや鶴の一声で一挙解決という手…

アシュガル・ファルハディ監督の最新作『別離 (ナデルとシミン)』

『彼女が消えた浜辺』が国内公開になっているイランのファルハディ監督の最新作。国内ではアジアフォーカス福岡国際映画祭で上映されている。またベルリン国際映画祭作品賞金熊賞、主演俳優・女優賞銀熊賞他多数の国際映画祭で受賞している。 テヘランにある…

渡辺文樹監督、東京都を提訴

本日(2011年12月15日)付朝日新聞東京地方版によると、知る人ぞ知るカルト映画監督、渡辺文樹氏が東京都を相手取り200万円の損害賠償を求めて提訴したそうだ。 この記事によると警視庁は11月24日、被疑者不詳のまま濫りに張り紙をした軽犯罪法違反の疑いで、…

プロメテウスの罠

朝日新聞の連載「プロメテウスの罠」が地味な連載だが、注目に値する。福島原発を巡る様々な問題を追及している連載だが、非常に重要な指摘を行っている。 例えば内部被曝(体内に取り込まれた放射性物質による被爆)の問題。前回までのシリーズ(「無主物の責…

『高地戦』 - 「帰らざる海兵」への21世紀版答状 [韓国映画]

2011年韓国で朝鮮戦争をテーマにヒットした作品。本年8月14日現在で2,809,089人の観客動員を記録している1)。監督は『義兄弟』のチャン・フン、脚本は『JSA』のパク・サンヨンとくれば期待がもたれるのも当然であろう。 1953年2月、休戦協定が難航していた中…

山西炭鉱地帯の閉塞した青年を描く『ワイルドサイドを歩け(頼小子)』

2006年中国映画で、賈樟柯がプロデューサを務めた韓傑の初監督作。中国農村部、山西省、闇炭鉱地帯の明日なき不良青年たちの閉塞した姿を描く。 喜平(白培将)は仕事もなく、悪友、流流(郭乾)と二宝(帿京)とつるんでいる不良少年。彼ら三人のうち流流の家だけ…

サタジット・レイ入門作 彼のエッセンスが詰まった『The Music Room』

『大地の歌』三部作で著名なサタジット・レイの1958年作品。日本では1988年大インド映画祭で上映されたことがあるようだ。 ビスワンバー・ロイはベンガル地方の大地主。彼は音楽狂いで、家の音楽室に高名なインド古典音楽の演奏家を招いては、人々を招待して…

「ありがとうごじゃいます」のエピゴーネンたち

DOZ: 아리가또 고자이마스 (本家) http://www.youtube.com/watch?v=HiUGWXe6Yzk 先日紹介した DOZの「ありがとうごじゃいます」だが、彼らの曲を流用したエピゴーネンビデオがYou Tubeにいくつかアップされている。 本家と比較してみると、やはり... 改めて…

11月、韓国盤DVD化、韓国映画評

2011年11月以降に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一…

高尾山紅葉

東京・高尾山の紅葉の写真です。

自称映画監督のママの奮闘と家族の再生を描く『レインボー (虹)』

2009年度の韓国インディー映画。中学生の息子を持つ映画監督志望の中年ママの奮闘ぶりと家族の危機と再生を交錯させて描いた作品。 自称「映画監督」であるキム・ジワン(パク・ヒョンミョン)は、会社員の夫サンウ(キム・ジェロク)と高校生の息子シヨン(ペク…

日仏で評価に大差 仏映画『マイファミリー - 遠い絆』

家族の絆を描いた2006年のフランス映画。原題は『Je vais bien, ne t'en fais pas』(元気だから放っておいて[より直訳すると、「私は元気だから、あなたは私に構わないで」)でフランスでは非常に高い評価を得ている作品。国内ではDVDスルー。 リリ(Mélanie L…

チェ・ガンヒの魅力全開『みみっちいロマンス』- 韓国映画

イ・ソンギュンとチェ・ガンヒ主演による19歳未満観覧禁止のラブコメディ。斬新な視点があるわけではないが、とにかくチェ・ガンヒが可愛らしく、多くの人に楽しめる肩のこらないラブコメディとして推薦できる。 父親が高名な画家であるチョン・ベ(イ・ソン…

韓国DVD, Blu-rayの話題から...

韓国DVD Primeの掲示板で次のような話題が出ていた。 DVD Primeで事前申込者を募ってBlu-rayディスクを出すプロジェクト、次回はホ・ジノ監督の『外出(邦題:四月の雪)』に決まった模様。 『高地戦』のBlu-rayが刊行されるかどうか、KD Mediaに問い合わせたと…

エジプトのフェミニスト映画 『話して、シェヘラザード (カイロの女たち)』

エジプト映画『ヤコービアン・ビルディング』を脚色した脚本家、ワヒド・ハミッドWahid Hamid(『ヤコービアン・ビルディング』の監督、マルワン・ハミッドの父)によるシナリオによって撮られた作品。夫の出世のため、自分がキャスターを務めるTV番組を、女性…

TPP、何のため?

11/9の朝のニュースで太田弘子・政策大学院大学教授と、藤井聡・京都大学工学部教授がTPP賛成、反対の立場から議論していたが... 少なくとも分かったことは、 TPPに参加しないと日本は対等な競争が出来ずに大変なことになる、という主張とは裏腹に、 TPPに参…

韓国盤DVDより日本盤が高画質?

しばらく前に、2000年代前半に出ていた韓国映画のDVDは、日本盤の方が高画質だとの韓国の掲示板の書き込みを見た。 またまた韓国マニア層の根拠ない日本盤びいきなんじゃないの、とも思ったが(大体素材は同じはず)、ふと思って手元にある韓国盤『リメンバー…

静かでじんわりと良い中国の法律映画『再生の朝に』

以前本ブログで紹介した『馬の背上の法廷』を撮った劉傑(リウ・ジエ=簡体字表記: 刘杰)監督の作品で、初の日本劇場公開作。 本作のあらすじはこちらを参照。 goo映画『再生の朝に』 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD17864/index.html 劉傑の…

DOZ: ありがとうごじゃいます 他

DOZという韓国のヒップホップDUOが、「ありがとうごじゃいます」と絶叫する曲が一部で受けているらしい。歌詞の内容は、日本に行くと別れを切り出した彼女にかけてやれる(唯一知っている)日本語はただ一言だけ「ありがとうごじゃいます」。というわけで未練…

イデオロギー対立に疲れた韓国の皆様に... 韓国映画『豊山犬』

9月にDVDリリース(但し韓国での話)された韓国映画のうち最大の話題作であろう作品がこれ。キム・ギドク脚本&プロデュースで弟子のチョン・ジェフンが監督した南北分断を扱った作品。この作品が小ヒットしたのは、作品の力もあるだろうけど、何よりも南北分…

アブドラティフ・ケシシュ監督長編デビュー作『La faute a Voltaire』

『クスクス粒の秘密』『エスキーヴ(身かわし)』と個人的にお気に入りの作品を発表してきたケシシュ監督の長編デビュー作。原題に邦訳をつければ「ヴォルテールの過ち」。ヴォルテールとはあの歴史的人物のことではなく、彼の名にちなんでつけられたパリのヴ…