yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2013-01-01から1年間の記事一覧

12月韓国盤DVD化、韓国映画評

2013年12月に韓国でDVDとして刊行された韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネチズン評価の平…

龍應台,2012(2009),『台湾海峡一九四九』 - 書籍

龍應台,2012(2009),『台湾海峡一九四九』,天野健太郎訳,白水社(原著:龍應台,2009,『大江大海1949』,天下雑誌社) 1949年、国共内戦に敗れた国民党政府・軍およびその支持者や家族たちは大挙して台湾海峡を渡り中国本土から台湾に逃れた。当初、日本の敗戦と国…

『夜の女王』 - 保守的な非モテ系男子の視点から描く韓国ラブコメ映画

今まで女の子に全くモテなかった男性が、突然棚ボタのようにきれいな女性と出会って結婚したものの、却って心配が... というややありがちな設定のラブコメ。監督&脚本は本作が初長編作らしい、キム・ジェヨン。なお本作の売りは、2005年に放映され、ビリヤ…

『カシコッ(いばら)』 - 強姦の痛みを異色の視点から描く韓国インディー映画

加害者の立場から強姦の罪意識を描いた、異色の韓国のインディー映画。ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品作。 イ・ソンゴン(ナム・ヨヌ)は28歳(数え)の縫製工場で働く工場労働者。住居は考試院(コシウォン)、外国人労働者と共に最低賃金で働く、小心で内気…

大阪維新、泉北高速鉄道外資売却案は堺市民への報復的「いじめ」では?

大阪維新の会/大阪府が推進する、大阪府がもつ泉北高速鉄道運営第三セクター、「大阪府都市開発(OTK)」の株式の外資ローンスターに売却案が、大阪維新の会身内の造反によって僅差で否決されたという。 「維新、大激震! 府議1人が初造反 委員会で株売…

北朝鮮・朝鮮労働党は、公式に共産主義を放棄している

北朝鮮は、2010年9月28日の北朝鮮労働党代表者会議で決定された30年ぶりに行われた党規約改正で、共産主義社会建設という目標を放棄し、党規約から正式に共産主義という用語を削除している1)。また、2010年4月9日改定された朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲…

『ノリゲ(慰みもの)』 - 第二の「トガニ」になり損ねた(?)性上納告発映画

本作品は、タレント、チャン・ジャヨンの自殺事件(2009年3月7日)1)をきっかけに最近韓国を賑わせている性上納(セックス接待)問題を告発しようという目的意識を持って作られた作品。ただネット評では、マ・ドンソク、イ・スンヨンの熱演にもかかわらず、第二…

チャン・ソンテクと猪瀬直樹の共通点

本日(2013年12月13日)の国内各種ニュース報道によると北朝鮮メディアは12日チャン・ソンテクが軍事裁判に掛けられ死刑判決をうけ、直ちに刑を執行したと伝えたという。 韓国メディアは、チャン・ソンテクの失脚理由を、キム・ジョンナムを立てようとクーデター…

『浪漫クァンデ(芸人)の全盛時代』 - 韓国書籍

韓国映画やドラマを見ていると、韓国のかつての芸能人や映画、ドラマといった話題が出てくることがある。映画やドラマを見ていれば、何かそういった芸能人や映画やドラマがいたらしいということはある程度知識として入ってくるが、それらの位置づけなどを組…

チャン・ソンテク失脚はクーデター企図説

韓国の複数のメディアは、北朝鮮、チャン・ソンテクの失脚は、経済開放路線でキム・ジョンウンと摩擦を起こしたチャン・ソンテクが、キム・ジョンナムをトップに据えようとクーデターを企画したため粛清されたのではないかと伝えている。 「チャン・ソンテク…

格差社会時代を背景にしたブラックコメディ 『憤怒の倫理学』 -韓国映画

『ロマンティック・アイランド』の脚色に携わっていた、パク・ミョンラン監督の初長編監督作であるブラックコメディ。 ソウル西部警察署交通課勤務のキム・ジョンホン(イ・ジェフン)は、隣の女子学生キム・ジナ(コ・ソンヒ)を盗聴&ビデオ盗撮するのが趣味で…

小田嶋隆に全面的に同感

小田嶋隆のWeb連載エッセイ、ピースオブ警句の「うんざりするほど当たり前のこと」 http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20131205/256782/?P=1 全面的に同感。 でも、うんざりしながらも声を上げていかなきゃ行けないのかな、と細々ながらブログに…

「ナチスに見習ったら...」の麻生発言はやはり本気だった

今年8月、麻生副首相の「ナチスに見習ったらどうか」発言が、メディアからの批判に晒された(本ブログでも次の2記事で触れている。 http://yohnishi.at.webry.info/201308/article_2.html http://yohnishi.at.webry.info/201308/article_3.html)。 麻生副総理…

堤清二氏死去

11月28日の各紙の報道によると、かつてセゾングループを率いた実業家で詩人や小説家としても確約した堤清二氏が肝不全のため25日死去したという。 彼は、父親、西武鉄道の創業者、堤康次郎から西武流通グループを引き継ぎ、その後セゾングループとして独立さ…

11月韓国盤DVD化、韓国映画評

2013年11月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネ…

「韓国なぜ急に反日に?」

日経新聞に「韓国、なぜ急に反日に 解けぬ野田氏の疑問」という11/24付けの記事(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS22011_S3A121C1SHA000/?df=2 会員限定記事)が出ていた。李明博前大統領は、2011年10月の段階で「歴代の韓国政権は最初、日韓の未来志向…

『ミナ文房具店』 - 娘の父との和解そして非貨幣的価値の再評価を描いた韓国映画

思春期になると、あるいは物心ついてくると娘が自分の愛情を持ってくれている父親に嫌悪感や反発を感じる... ということは娘の精神的成長過程につきものであろう。そんな思春期の思いを抱えて大きくなった娘が大人になってようやく父親の当時の思いに気付く…

プラズマテレビ本当にダメなの?

先日、いつもの飲み仲間で飲んでいたところ、プラズマテレビを持っている知人が、何であんな優れた商品が生産中止になるのだとぼやく。プラズマテレビは確かに買った当初は動きが揺れるように感じるのだが、慣れてくるとその鮮明さに他のテレビを見る気が全…

長野県、部活朝練禁止報道に接して

今朝のNHKニュースに、教育評論家の尾木直樹氏を迎え長野県で中学校の部活の朝練を禁止措置に関する報道が流れた。 まず率直な感想... こりゃーやり過ぎだわ 朝練禁止、がやり過ぎなのではない。やり過ぎなのは長野県の中学の部活である。NHKニュースで紹介…

『ジスル - 続・終わりなき歳月』 - 済州島4.3事件を正面から扱った韓国映画

韓国映画の中で済州4.3事件を扱った映画はなかなかなかったが、本ブログでも紹介した、『花雨』『グランプリ』あたりでようやく済州4.3事件に言及できるようになっていた。しかし、本作は済州島4.3事件(厳密に言うと1948年からの済州焦土化作戦)を正面から扱…

とんでもない「秘密保護法」

やはり現政権に憂慮していたが、やっぱりというか... とにかく最悪なのが、何が秘密かというのさえ秘密という、こんな滅茶苦茶あるかいな、という条項。 裁判によって、それを秘密にしていることを検証する機会さえ奪うという滅茶苦茶な法律。「個人情報保護…

10月韓国盤DVD化、韓国映画評

2013年10月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネ…

『ユニクロ帝国の光と影』名誉毀損訴訟でユニクロ完敗

東洋経済オンライン2013.10.28付記事で、文藝春秋から刊行された横田増生著『ユニクロ帝国の光と影』に対するユニクロの名誉毀損訴訟の1審判決(10/18 東京地裁)で、ユニクロ側がほぼ完敗という内容が報道されている。 「一審判決は「完敗」 どうする、ユニク…

天野祐吉氏死去

CM評論家にしてコラムニストの天野祐吉が20日死去した。今年4月にはやはり『広告批評』の編集長を務めた島森路子も亡くなっているので、まさに『広告批評』の時代が過ぎ去ったことを象徴するような出来事だ。 特に、20日付の朝日新聞の書評欄にも天野氏の記…

『旗なき旗手』 - 『太白山脈』の問題意識につながる林権澤1980年作

イム・グォンテク[林権澤]監督の1980年作品で、先日紹介した『チャッコ』と並び『太白山脈』の問題意識にダイレクトにつながる重要な作品。朝鮮半島が日本の植民地支配から解放され、38度線が引かれた直後、まだ新しい(統一後の)国のあり方が資本主義になる…

『我らの明日はもっと青い』 - 北朝鮮青少年啓蒙映画

平壌演劇映画大学青少年映画創作団によって制作された青少年向け啓蒙映画。新しい技術を学ばせようという趣旨の作品。 金策工業総合大学(平壌)を卒業したリミョン(キム・チョルナム)は、元在籍した工場へ戻る。そして工場労働者対象のヘナム工業大学と称する…

東京オリンピックは国際社会から日本に課せられた猫の首の鈴である

2020年、56年ぶりに東京でオリンピックが開催されることが決定した。メディアにはオリンピックの開催を単純に喜ぶ声にあふれている。しかし私は、今回のオリンピック開催決定は国際社会から日本に課された猫の首の鈴だと思う。 かつて1964年のオリンピックは…

『南へ走れ (サウスバウンド)』 - イム・スルレ監督の日本原作ポリティカル・コメディ

非国民を自認する男の、リゾート開発との対決を描いた作品。実はこの作品原作は日本の小説、奥田英朗の「サウスバウンド」。脚色はイ・ゲボクとナ・ヒョン。撮影はチョ・ヨンギュ。ちなみにこの小説、日本でも森田芳光の手によって映画化されている(2007年)。…

情けない日本のスネ夫根性ぶり

昨日の夕方のNHKニュース。APEC会談にアメリカのオバマ大統領が欠席することを巡って、中国の影響力が増すことが懸念される云々という趣旨の報道がされていた。 なんだかなぁ~。 日本には、僕ちゃんを守ってくれるアメリカ=ジャイアンがいないから、中国や…

『バービー』 - イ・サンウ監督によるアンチ「I am Sam」韓国映画

いささか露悪的かつ衝撃的な長編第2作『ママは娼婦』で話題となったイ・サンウ監督の作品。主演は『旅行者(公開邦題:冬の小鳥)』『アジョシ』のキム・セロン 小学生の女の子スニョン(キム・セロン)は浦項(ポハン)近郊で民宿を営む家の娘。母は1年前に他界し…