yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

シネカノン 会社更生法申請

経営悪化が噂されていたシネカノンが、ついに会社更生法適用となった。浅川巧の生涯を描く『白磁の人』の制作からシネカノンが外れた(現在は東映系子会社が製作担当予定)という話を聞いていたので、いずれこうなるとは思っていたのだが... 『フラガール』な…

1月の韓国盤DVD化映画評

1月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネチズン…

メキシコ映画 『哀しみのバイオリン』

過去のどのメキシコ映画よりもたくさん国際的な賞を取ったという2006年のメキシコ映画。反政府ゲリラを支える農夫たちの暮らしを描く。 ドン・プルタルコ(Don Angel Tavira)と彼の息子ヘナロ(Gerardo Taracena)、孫のルシオ(Mario Garibaldi)は農業を営みな…

メインストリームから外れて出てきた韓国映画 『父さん』

おそらくセマウル運動が始まるかその前夜である、1970年代全羅道の農村を描いた作品。『牛鈴の音』のように、韓国人のノスタルジーに訴えることを狙った作品であると思われるが、同時に遅れてきた啓蒙映画という感じを持った。 ギス(チョ・ムングク)は小学6…

ステレオタイプな韓国コメディ映画 『清潭菩薩』

2009年公開の韓国映画。他人の恋愛運は占えても自分自身の恋愛はままならない女性占い師の恋の行方を描いたコメディ映画。 ムーダンの家に生まれたテラン(パク・イェジン)。現在は、仲間の占い師と共にソウルの江南、清潭(チョンダム)洞で占いサロンを開いて…

陸川監督 『南京! 南京!』が示唆するもの

すでに日本国内でも報道されているように南京大虐殺を扱った中国映画の1本。監督は日本での上映を望んでおり、日本での配給も決定したそうだが、無事公開されるだろうか? なお、本作品については人民日報日本語版に詳細な紹介が出ている。 http://j.people.…

台湾シネマコレクション2008作品がようやくDVD化

SPOが、韓流の次は台流かと仕掛けた台湾シネマコレクション2008。しかし、余程客の反応が悪かったのか、なかなかDVD化されない... と思っていら「珠玉のアジアン・ライブラリー」シリーズの一環として2月からDVDの刊行が始まる模様。 台湾ものの初回は、 2/3…

児童虐待問題の深刻さを見事に描いたスペイン映画『El Bola (球)』

2000年スペイン映画。隠された児童虐待問題の難しさを描いた、力強い作品。 いつもベアリングの球をお守りのように握っている、エル・ボラ(球)とのあだ名のある少年、パブロ(Juan José Ballesta)。彼は、ねじや釘を扱う店を経営する父マリアノ(Manuel Morón)…

『かかしたちの土地』 -韓国映画-

ノ・ギョンテ監督による2008年度インディー映画。かなりアート色の強い作品。 登場人物は3名。性同一性障害の女性で、自分は本来男性だと信じている40代女性チャン・ジヨン。その彼女が、韓国男性がフィリピン女性の嫁探しに出かけていくという話を聞いて、…

弱肉強食社会を描いた中国映画『小蛾(シャオオー)の行方』

中国のインディー系映画で世界的に大きな注目を浴びた作品。2009年に中国インディペンデント映画祭2009他で上映されたようだ。 駱江と桂花の夫婦は、叔父から女の子を売りたいという男がいると聞く。男は、妻に先立たれた上飲んだくれで、足の病気で歩けない…

韓国男性社会批判の視点が強い『私の友達、その妻』 -韓国映画-

『訪問者』『バントゥビ』を撮った、シン・ドンイル監督の長編第2作目。韓国社会における、多少男色めいた男性至上主義的な社会風土を批判しようという意図が明確な作品。 主な登場人物は新婚ほやほやの調理師のジェムン(パク・ヒスン)とその妻で美容師のジ…

金浦空港から安東への楽な行き方 (韓国旅行)

知人が、10人ぐらいで3月に韓国に行くという。予定では羽田-金浦便を利用して、そのまま慶尚北道の安東(河回マウルなどで有名)に行きたいというのだが、ソウルから安東に行くには江辺(カンピョン)にある東ソウルバスターミナルに行き、安東行き高速バスに乗…

台湾映画『ビューティフル・クレイジー(乱青春)』

台湾の李啟源(リー・チーイェン)監督による青春期の女性の友情の崩壊を描いた映画。時間軸が複雑に交錯して、1回見ただけではストーリーが追いにくい。 この映画は基本的には、二つの時代が平行で走っている。ひとつは主人公たちの高校時代、そしてもうひと…

美術の古さが改めて目につく、市川崑監督『幸福』

市川崑監督1981年作品『幸福』。長年権利関係でソフト化されて来ず、僅かにフィルムセンターでのみ上映されるだけだった作品だが、ようやくDVD/Blu-rayハイブリッドディスクでソフト化された作品。 あらすじに関しては以下のサイトを参照。 goo映画 http://m…

ガリン・ヌグロホの『オペラ・ジャワ』 -インドネシア映画-

寓話的な作風を持つインドネシアの映画監督、ガリン・ヌグロホによるヒンズーの神話「ラーマナーヤ」から題材を取ったガムラン・オペラ作品。同時に現代のインドネシアにおける政治的寓話の意味も持たせている様だ。 土器を作って生計を立てているセチョはシ…

アイデンティティクライシス描写の光る『陽陽(ヤンヤン)』 -台湾映画-

『一年の初め』が昨年10月、都内でレイト上映された鄭有傑(チェン・ヨーチェ)監督の長編第2作。本作品は2009年東京国際映画祭アジアの風部門で上映されている。物語はフランス人とのハーフである陸上競技選手である女の子のアイデンティティを巡る物語で、…

『終電で来たお客たち』 DVD「ユ・ヒョンモク コレクション」の一作

『誤発弾』で有名であり、今年物故した韓国映画界の重鎮、ユ・ヒョンモク監督の1967年作メロドラマ映画。年末に韓国で出た「ユ・ヒョンモク コレクション」DVD収録作品。社会からの疎外感を持つ三人の男性と女性との関係を描いた作品。 本作品は、良くも悪く…