yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

三池崇史監督『オーディション』米国盤Blue-ray発売

三池崇史監督のカルト的傑作『オーディション』(1999)のBlue-ray盤が近くアメリカで発売される。こちらのほうにBlue-ray盤の批評が熱く語られている。 http://www.dvdtalk.com/reviews/38501/audition-collectors-edition/ 同マスターのDVDも同日出るようだ…

1970年代韓国青少年映画の代表作『高校ヤルゲ』

1970年代後半、韓国映画界でハイティーンを対象とした青少年映画ブームが起こったという。本作品はこの青少年映画ブームの嚆矢にして、代表作と言うべき歴史的作品である。 舞台はキリスト教系私立男子高校。そこに二人の落第生問題児がいた。一人はドゥス(…

日本語主語不要論をめぐって...

日本語と韓国語の文法的な違いの確認をしがてら、主語不要論を論じた三上文法の再評価を主張する、金谷武洋氏の「日本語に主語はいらない」(2002, 講談社)を読み直し日本語主語不要論に関して考えを巡らせてみた。また最近、やはり日本語主語不要論を主張す…

橋口亮輔監督第4作『ぐるりのこと。』

同性愛であることをカミングアウトしている橋口亮輔監督の長編劇映画第4作。製作はかつて土本典昭監督らの水俣病や原爆ドキュメンタリー映画を数々作ってきたシグロ。 あらすじについては下記を参照。 http://www.gururinokoto.jp/story/index.html (『ぐる…

コミックスリラー映画?『極楽島殺人事件』

孤島を舞台にした連続殺人事件を描くミステリー映画。連絡が途絶した閉塞状況を舞台にした殺人を描いた韓国映画と言えば、コン・スチャン監督の『Rポイント』『GP506』が思い浮かぶが、本作品、それにコミックな要素を付加した亜流と言えるかもしれない。監…

9月の韓国盤DVD化映画評

9月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネチズン評価の平均値(満点…

サローヤン原作ロシア映画『The Banishment』

アメリカの小説家サローヤンの小説をベースにしたロシア映画『Banishment(追放)』。もつれた結婚生活を描いた作品。 アレックスとヴェラ夫婦は二人の子供をつれて都市を離れ、アレックスの田舎に移住する。一見仲のよさそうな夫婦だが、やがて家族内のコミュ…

株取引をテーマとした韓国映画『作戦』

本作品は韓国映画界で初めて株式市場を舞台にした作品1)。 大学で演劇を専攻していたカン・ヒョンス(パク・ヨンハ)は大学卒業後会社勤めを経験したが上手くいかない。その一方で大学時代の友人から株式投資を一緒にしないかと勧められる。そんな彼らを信頼し…

Microsoft Office使用中止のバックグラウンド

マイコミジャーナル2009.9.18付記事によるとIBM社員36万人がMicrosoft Officeを使用中止し、Lotus Symphonyへ乗り換えることになったという。 「IBMの社員36万人がOfficeからSymphonyに乗り換え」マイコミジャーナル 2009.9.18 http://journal.mycom.co.jp/n…

チュニジア発、ベリーダンサーを描くフェミニスト映画『Satin Rouge (サテン・ルージュ)』

チュニジアはアラブ世界でも比較的治安が安定し、ヨーロッパにとってアラブ随一のリゾート国として知られている。フェミニズムは、アラブ世界で、アラブの伝統的価値観を破壊する西洋かぶれの思想として排撃される傾向にある様だが、治安の安定しているチュ…

麻生自民党惨敗と1945年日本敗戦の共通点

麻生首相が、「昨年秋に衆院選をしていたら、こんなに負けていなかった」と愚痴っているという(2009.9.9 産経新聞、共同通信等配信記事 例えばhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090909-00000606-san-pol 参照)。これを見て、麻生首相は本当に政治家とし…

新田たつおの漫画「チェン爺」を原作とした韓国映画『ザ・ゲーム』

日本の漫画原作ということで、韓国社会のコンテキストと関係のない作品に仕上がっているのではないかと余り期待しないで見た映画『ザ・ゲーム』。だが予想外に韓国社会に対する批評的側面のある映画に仕上がっており、面白かった。貧乏だが健康な体を持つ若…

「麻生内閣は結構良い政策をやった」か?

最近ネットの書き込みを見ると、時々「麻生内閣は結構良い政策をやっているのに、マスコミの不当なバッシングを受けて沈んだ」というようなことを書き込んでいる人がいるのを見かける。いわゆるマスコミ(厳密にはマスメディア)陰謀説だが、だがそういう書き…

ユーモアとペーソスに溢れた秀作映画『El bano del Papa (法王のトイレット)』

2007年のウルグアイ映画。1988年、教皇ヨハネ・パウロII世がウルグアイを訪問した実話を元に、教皇の訪問に翻弄された貧しい庶民たちの悲喜劇を、ある密輸屋家族を中心に描いた作品。この映画に描かれたエピソードの大半は事実だという。 Beto(César Troncos…

息子を救うために殺人を迫られる男を描いたセルビア映画『Klopka (罠)』

ポスト・ミロシェビッチ時代を代表するセルビア映画と言えるかもしれない。本作品は心臓病の子供を助けるために殺人を犯すことを決意する父親とその家族の物語である。作品のバックグラウンドにはグローバリゼーションの広がりとそれに伴う貧富格差の拡大と…

中国映画『手機 (携帯電話)』

中国お正月映画の常連、馮小剛の作品。2004年の正月映画として中国では上映された。携帯電話の通信記録から浮気がばれる... というのはありがちなことではないかと思うが、まさにその話題を扱ったのが本作品。 厳守一(葛優)は、人気悩み相談番組の司会者。費…

故チャン・ジニョン主演映画『青燕』

胃癌闘病を公表していたチャン・ジニョンが2009.9.1に亡くなった。日本でもフリーアナウンサーだった逸見正孝が胃癌を公表して闘病をしていたが亡くなったということがあったので、彼女の胃癌公表にもいやな予感がしていたが、やはり残念ながら亡くなってしま…

字幕翻訳に挑戦してみよう(4)

3. 字幕情報の抜き出し 3.1. DVDの字幕情報 DVDでは、字幕情報は基本的には画像情報の形で持っている。これは将来どんな言語(文字)が出てきても対応できるようにするためである。DVDから抜き出せる(リッピングできる)情報としては各字幕の画像情報とスポティ…

両性具有をテーマにしたアルゼンチン映画『XXY』

2006年製作のアルゼンチン映画で両性具有をテーマにしている。監督は女性のルシア(リュック)・プエンソ。監督の名前に何か聞き覚えがあると思ったら、『オフィシャル・ストーリー』のルイス・プエンソの娘のようだ。 15歳の少女アレックス(イン・エフロン)は…