yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アメリカで自分を見失う母娘を描いた『彷徨の日々』

韓国本土よりも海外での評価が高いキム・ソヨン監督の作品。以前紹介した『楽しい人生』(イ・ジュニク監督)では、子供の勉強のため妻子を海外にやり、一人韓国に残る父親「キロギ・アッパ」が出てきていたが、本作では、その海外に渡った妻子の側を描く。 ア…

3月の韓国盤DVD化 映画評

3月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネチズン…

Made in Koreaのパニック映画『海雲台(ヘウンデ)』

総予算160億ウォンをつぎ込んだ韓国製パニック映画『海雲台』。ポン・ジュノの『ケムル(邦題:グエムル -漢江の怪物-)』あたりをパニック映画と見れば、必ずしも韓国最初のパニック映画とは言えない。ただ、自然災害を扱ったパニック映画としては、おそらく韓…

イスラエルの相撲映画 韓国で4月に公開

先日書いたイスラエルの相撲映画『サイズの問題』が、以下のブログによると、 http://blogs.yahoo.co.jp/shingenolza79/59508834.htm 韓国でこの4月に公開されるそうだ。韓国の映画会社の反応、早い... っていうか、本来なら日本の配給会社が真っ先に反応し…

NYを舞台にエスニシティを肯定的に捕らえた心温まるロマンス映画 『Bella』

2006年、ニューヨークを舞台に撮ったアメリカ映画。様々な異民族が行きかうニューヨークで、彼らの持ち込むエスニシティを肯定的に捕らえて展開される、メロ・ロマンス映画。 国際的に活躍するあるヒスパニック系アメリカ人のサッカー選手が、高額な契約に署…

在米コリアン2世の若者たちを描く『Yellow』

日本にも在日韓国人たちがいるが、最近韓国人の移民先で多いのはやはり何と言ってもアメリカ。在米韓国人1世の立場を描いた作品は『ディープ・ブルー・ナイト』やロス暴動を描いた『ウェスタン・アヴェニュー』など、既に何作も知られている。最近ではキム・…

イラン映画のニューウェーブ『A Few Kilos of Dates for a Funeral』

モノクロームのフィルムで描かれた、とても不思議で独特な雰囲気を持ったイラン映画、『A Few Kilos of Dates for a Funeral (葬式用ナツメヤシ数キロ)』。 メインキャラクターは、イランのあまり車の通らない峠にあるガソリンスタンドに勤める二人の男、サ…

韓国映画アカデミー劇場公開作『彼女たちの部屋』

ポン・ジュノなど韓国映画界を支える名だたる人材を輩出してきた韓国映画アカデミー(KAFA)。優秀な卒業作品公開事業に乗り出した様で、本作品はKAFAコレクション2008というDVDボックスに収録された一編。 ヨンジュは子ども向け学習紙1)教師。週末に高試院2)…

日本の国際空港地盤沈下に手を貸す、地方空港の乱立

国内98番目の空港茨城空港が開港した。狭い日本よくぞ98も空港を作ったものだ。頼みの航空会社はアシアナ一路線のみ。しかし日本の赤字ローカル空港を支えてきたJALがこけたのでどうなることやらと思っていたが、今や日本の地方ローカル空港の救世主はアシア…

危ない! Amazon偽装メール

Amazon.comより Amazon.com - Your Cancellation (313-0958018-5666724) というメールが... オーダーをキャンセルした覚えはないのにおかしいなと思ってよく考えると、そのメールアドレスはそもそもAmazon.comには登録していないアドレス。 本文を見てみると…

文化相対化主義的視点が心地よいレズビアン・ラブコメ映画 『ストレートじゃいられない』

インド系南アフリカ人で、現在ロンドン在住のシャミン・サリフ監督の作品。パレスチナ系ヨルダン人のタラと、インド系イギリス人レイラのレズビアン恋愛コメディ。 タラ(リザ・レイ)は現在ロンドンに住むヨルダン国籍を持つパレスチナ人。彼女は婚約を4回破…

ブラックな人間心理をえぐる 『人を探しています』 -韓国映画-

韓国映画2009年最大の問題作との呼び声もある、インディーズ長編映画。知的障害者への虐待と、その復讐を描いた作品。人間心理のブラックな側面を突きつける作品。 40歳の不動産業者ウォンヨン(チェ・ミョンス)は、自分の欲望に忠実に生きる男。妻と二人の子…

『The Cove』アカデミー賞受賞の波紋

日本のイルカ漁を批判したアメリカのドキュメンタリー映画『The Cove (入り江)』がアカデミー賞ドキュメンタリー賞を受賞した。 その受賞を伝えるTVのワイドショーなどのメディアの反応である、決してメッセージが評価された訳ではなく、エンタテインメント…

中国社会の今を伝えるドキュメンタリー映画 『傘...』

CNEX2.0 (Web2.0ならぬChinese Next2.0)という台北と北京に拠点のある会社から出されている中国ドキュメンタリー映画のDVD。本作品は、元々は農業文明にルーツを持っていた中国人たちが徐々に土から切り離されていく現況を活写したドキュメンタリー映画。 ド…

仏が強奪した朝鮮王朝の図書、韓国が永久貸与を要請

という、記事が3/8朝日新聞に出ている。 http://www.asahi.com/international/update/0308/TKY201003080008.html この図書は元々江華島にあった朝鮮王朝王室の書庫「外奎章閣」にあったもので、1866年の江華島事件でフランス軍が持ち去った物。この書籍に関…

辛い境遇の青年たちの応援歌 『僕の歌は...』 - 韓国映画 -

2007年製作、韓国の自主製作映画。苦しい生活を送る出前配達少年の一幕の夢を描く。韓国での公開は2008年4月。 ヒチョルは祖母と二人暮らしの貧しい青年。浪人生だが、貧しさ故予備校に行くこともできず、出前配達のアルバイトをしながら勉強していたが、大…

同性愛者を見守る暖かい視線が印象的 『漂浪青春 (彷徨う花たち)』 台湾映画

自分自身レズビアンであることをカミングアウトし、同性愛に関する映画を作り続けている台湾の映画監督ゼロ・チョウの長編第3作。三部のオムニバス構成になっており、最後にそれぞれの有機的なつながりが明らかになる。 第1部 妹狗 May 小学生のメイは、盲目…

ジャファル・パナヒ監督拘束

3月3日付の朝日新聞によれば、ジャファル・パナヒ監督が3月1日夜、テヘランの自宅でイラン当局によって逮捕されたという。 http://www.asahi.com/international/update/0303/TKY201003030003.html 報道によれば、当局は政治的理由による逮捕ではないとしてい…

韓国革新派の迷いを象徴する映画作品『イテウォン殺人事件』

かつて映画活動を通じて反権力的な立場から作品を発表してきた、社会派、ホン・ギソン監督の最新作。従って本作品もやはり社会派映画作品として見るべき。名前につられて犯罪・スリラーもの、ミステリー作品だと期待して見るとがっかりするかもしれない。本…

ユ・ヒョンモク監督後期の名作 朝鮮戦争を描いた『梅雨』 -韓国映画-

ユ・ヒョンモクコレクションの中の一編。1979年製作の作品で朝鮮戦争における人々の対立の愚かさを描いた作品で、有名な『誤発弾』につながるユ・ヒョンモク監督面目躍如の作品と言えるだろう。 1950年、6月25日朝鮮戦争勃発直後の梅雨時、少年ドンマンの家…