yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

漫画『雲を抜き出た月のように』

1月に記事を書いた映画『雲を抜き出た月のように』(http://yohnishi.at.webry.info/201101/article_3.html) の原作となった作品。筆者はパク・フンヨン(朴興用)で、1995年に最初に発表された。本作は現在、韓国、パダ(海)出版社から新装版の3巻本として刊行…

8月韓国盤DVD化、韓国映画評

2011年8月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネ…

パレスチナ版『羅生門』? イスラエル映画『AJAMI』

アジャミとは、イスラエル、テルアヴィヴ近郊のジャッファ(Jaffa)にある地区名。そこはどうやらユダヤ人、キリスト教系パレスチナ人、イスラム教系パレスチナ人が混住している地区らしい。この地区で起こる一連の出来事を、それぞれの視点から描くことで、相…

高齢者の愛情を描く韓国映画『あなたを愛しています』

2011年公開の韓国映画。高齢者たちのほのぼのとした愛情を描くとともに、彼らの新しい社会関係性の構築の困難さを描いていく作品。原作は2007年に出版されたカン・プルの漫画「あなたを愛しています」(全3巻, Web連載もあり)で、2008年には演劇化され大学路…

書籍: 藤原智美『検索バカ』

藤原智美, 2008,検索バカ,朝日新聞出版(朝日新書) 心情的には本書の筆者に非常に共感。インターネットの発達によって、人々がより深く考えるようになるか1)、と思いきや、結局オリジナルな論考が増えたのではなく、氾濫したのはコピペばかり、しかもその中に…

おーい前原クン

民主党の代表選挙前原クンが出るようだが大丈夫か? 今まで前原クンが言ったことって、実現しないだけならまだしも、その反対になることが多いからなぁ... 尖閣問題しかり、八ッ場ダム問題しかり... まあ、民主党がほかにタマがないと擁立に走るのは分からん…

是枝監督の家族ドラマ『歩いても、歩いても』Blu-ray評

『誰も知らない』で知られる是枝裕和監督の2008年作品である家族ドラマ。先日亡くなった原田芳雄が父親役で出演している。 あらすじはこちら(Goo映画) http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD12589/ Blu-ray収録の監督インタビューやメイキングを見…

書籍: フィシュキン『人々の声が響きあうとき』

小泉政権以降、日本の政治においてもポピュリズムの問題が論じられるようになっている。総理大臣も世論(調査)の動向をひどく伺うようになり、世論調査が政治に与える弊害も論じられるようになってきている。菅総理も、どうやら小泉スタイルを踏襲しようとし…

韓国三大迷宮入り事件の一つを描いた映画『あいつの声』

韓国1990年前後の三大迷宮入り事件の一つ、1991年ソウル江南で起こったイ・ヒョンホ君誘拐殺害事件をモデルに製作された作品。監督は『ユー・アー・マイサンシャイン』のパク・ジンビョ。韓流スターのカン・ドンウォンが出てはいるのだが、まったく顔が見え…

「南京のシントラー」を描いたドイツ映画『ジョン・ラーベ』

2009年ドイツ、フランス、中国の合作によってつくられた作品。「南京のシントラー」と呼ばれるジョン・ラーベの活動を描いている。香川照之、杉本哲太、ARATAら日本人俳優が出演にも拘らず、日本の配給会社がしり込みして、国内公開が見送られた作品。2009年…

韓国人の琴線に触れる家族メロドラマ 『世界で一番美しい別れ』

本年度公開された韓国映画。末期がんに侵された母親とそれを取り巻く家族関係を描く。典型的な、涙腺を刺激する、韓国でいうところの「新派」メロドラマ。 主婦キム・イニ(ペ・ジョンオク)は医者である夫、チョン・チョル(キム・ガプス)、会社員の娘ヨンス(…

『戦場のメリークリスマス』Blu-ray評

大島渚のDVDが昨年紀伊國屋書店からリマスター版で出されたが、アメリカCriterionから本作のBlu-rayが出るのを知って、既にポニー・キャニオン版を持っていたこともあって買い控えていた。坂本竜一のサントラとともに非常に有名な作品であるが、Blu-ray化が…

韓国最初の女性監督映画作品 『未亡人』

2011年7月に出た韓国映像資料院の古典映画DVDコレクション「戦後の風景」に収められた1枚。本作は韓国初の女性映画監督の手による作品として記録される。 イ・シンジャ(イ・マンジャ)は、朝鮮戦争で夫を亡くし、娘チュ(イ・ソンジュ)と共に洋品店に勤めな…

読み損なわれる『硫黄島からの手紙』イーストウッド硫黄島戦争映画2部作

2006年にクリント・イーストウッドが撮影した硫黄島の戦いを描いた『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』の2部作。すでにその内容はご周知のことであろう。 あらすじはこちら 『父親たちの星条旗』goo映画 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCS…

海外版DVDでしか見られない日本映画(2)『軍旗はためく下に』

1972年、深作欣二監督が『トラ、トラ、トラ』の日本側監督を引き受けた収益で、自腹を切って製作した映画作品。現在東宝が権利を持っているものの国内ではDVD化されておらず、CS等でも放映されていないようだ。但し上映用フィルムは存在し、比較的近年でも深…

正当な評価が望まれる、中国大規模歴史映画の始祖 『異聞・始皇帝謀殺 (秦頌)』

1996年の中国映画。国内では劇場公開ではなく、VHSスルーになった作品だが(発売元日本ヘラルド、発売2000年8月)、もはやレンタルビデオで探すのは困難であろう。国内タイトルからだと、陳凱歌の『始皇帝暗殺』と同工異曲のようだが、それよりも始皇帝と音楽…

Made in Chinaは本当に安いのか(2)

以前紹介した遠藤氏の「中国低価格部品調達記」の核心部分を図示しながらもうちょっとわかりやすく紹介してみよう。 まず日本製部品の特徴として、ほぼ100%が品質を満たした部品が納入される。万一満たさない場合は部品メーカーがサービスで補償もしてくれる…

『月の光をすくい上げる』- イム・グォンテク監督101番目作品は韓紙PR映画

本年(2011年)3月に公開されたイム・グォンテク監督101番目の映画作品。『月の光をすくい上げる』(直訳だと「月の光すくい上げ」)の英題は"Hanji"つまり「韓紙」。英題が示す通り本作品は、世に知られない韓紙を宣伝するのが主目的である作品だ。民間資本も入…

退屈かつナンセンスな平刑事の日常 ルーマニア映画『Police, Adjective (平刑事)』

『ブカレストの東、12時8分』のコーネリウ・ポルンポユ監督、2009年作品。警察における官僚意識を批判した作品。 クリスティ(Dragos Bucur)は若い平刑事。高校教師の妻、アンカ(Irina Saulescu)との二人暮らし。最近彼は上司の命令で高校生の尾行を行ってい…

高岡蒼甫に始まる韓流叩きは...

高岡蒼甫が韓流批判をしたとして所属事務所から解雇されたということに始まる韓流叩き。ネトウヨ君たちが香ばしいことになっている。 本当に高岡蒼甫が韓流批判をしたから解雇されたとしたら、それはとんでもないと思うし、批判すべきだが、だから韓流叩きっ…

コ・ウン原作小説を映画化した『7月32日』

主として詩人として高名なコ・ウン(高銀)の短編小説「満月」をもとに映画化した韓国映画。かなり悲惨な内容ではあるが、独特の詩情が感じられる作品。 釜山に暮らすイ・マンス(パク・ウンス)はナイフさばきを頼りに暮らしてきた極道。そんな非道な彼には、そ…