yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

エラン・リクリス最新作は外国人労働者を扱った『人事部長の出張旅行』

『人事部長の出張旅行 (Le Voyage du dircteur des resources humaines)』は、『シリアの花嫁』『レモン・ツリー』『カップ・ファイナル』等のエラン・リクリス監督2010年最新作。tragi-comedy(悲喜劇)という点は以前の諸作品を踏襲しているが、今回はイスラ…

枝野でしょうか? いいえ「週刊ポスト」です

金子みすずの詩のパロディ、 こだまでしょうか? いいえ、枝野です が流行ったが、 「大丈夫?」っていうと「大丈夫」っていう 「漏れてない?」っていうと「漏れていない」っていう 「安全?」っていうと「安全」って答える そうして、あとで怖くなって 「…

おしゃれな女の子感覚にあふれた台湾映画『台北カフェ・ストーリー』

台湾で人気の桂綸鎂(グイ・ルンメイ)主演のおしゃれな映画。台北で姉妹が営むカフェの物語。 OLのドゥアル[朵兒](桂綸鎂)はケーキ作りが得意。彼女は自分の特技を生かして自分のカフェを開きたいとずっと思っていた。とは言えかなりの元手が必要だ。幸い親…

Criterionの『第三の男』が廃盤に...

Amazon.comでCriterionのセールをやらないかなぁ... とサイトをぼーっと見ていたら、いきなり『第三の男』が80ドルとか110ドルというべらぼうな値段になっている。ひぇーっ、これ何かの間違い... と思って見ていると、どうやら廃盤になったようで、プレミア…

Mise-en-Sceneのセンスが鮮烈な、恋愛を描くオムニバス映画『もう少し近くに』

多少実験的な意図で作られた5つのエピソードで構成されたオムニバス映画。5つのどこか欠けた(歪んだ)恋愛エピソードが語られる。 1つめ(タイトルロール前に描かれる序章)は、なぜかポーランド人の青年(Filip Svec)が、オランダから韓国の喫茶店に働くヒョソ(…

『中国コピー商品対抗記』

遠藤健治,2007,『中国コピー商品対抗記』,日経BP社(日経ものづくりの本) 前回紹介した遠藤健治氏の「中国低価格部品調達記」が面白かったので、同著者の別の本を読んでみた。こちらは中国のコピー商品にどう対抗するかという本。前著の一年前に出版されてい…

7月韓国盤DVD化、韓国映画評価

2011年7月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネ…

リンゼイ・アン・ホーカーさん殺人事件判決他

21日、上記事件の判決で市橋達也被告に無期懲役の判決が出たが、それに対する父親のウィリアムさんのコメントの冷静さが光った。 読売オンライン記事によると(「正義やっと実現... リンゼイさん父」http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20110721-5…

イラン映画『二人の天使』

カンヌ映画祭批評家週間に出品された2003年のイラン映画で、イランで上映禁止処分された作品。家父長制家族を批判した作品。 アリ(Siavash Lashkari)はテヘランから4時間程の田舎町のパン(ナン)屋の息子。父(Mehran Rajabi)は典型的なイランの家父長的な父親…

韓国初の仏教映画にして近代文化財指定映画『心の故郷』

1949年の韓国映画で、韓国の近代文化財に指定されたそうだ。寺に預けられた童僧の母親を恋しく思う心を描いた作品。 ドソン(ユ・ミン)は3歳の時に母親に捨てられて遠い親戚が住職(ビョン・ギジョン)をしている寺で育てられて当年12歳。母親がいつか迎えに来…

Made in Chinaは本当に安いのか?

遠藤健治,2008,「中国低価格部品調達記」,日経BP(「日経ものづくり」の本) この本は「日経ものづくり」で連載された記事に手を加えて単行本化したものだそうだが、ともあれ中国製は安いと安直に考えるとかえって高コストになりかねず、低コストの中国製部品…

少年の心のロードムービー 台湾映画『4枚目の似顔絵 (The Fourth Portrait)』

『停車』の鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の最新作。父親と死に別れた10歳の少年の精神的ロードムービー映画。 小翔(畢曉海)は台湾の田舎に住む10歳の少年。父親は母親((郝蕾)と別れ、彼は父一人子一人で生活していたが、父親が病気でなくなってしまい天涯孤…

「カエル少年」失踪事件をモデルにした韓国映画『子供たち』

韓国には1980年代末~90年代の初めに起こった三大迷宮入り事件というのがあり、その一番目が映画『殺人の追憶』のモデルになった「華城連続殺人事件」、二番目が『あいつの声』で映画化された「イ・ヨンホ君誘拐殺人事件」、そして映画化されずに残っていた…

チェコの黒澤、ウラーチル監督の映画『ミツバチの谷(Udoli vcel)』

チェコの黒澤明と言われるフランチェシク・ウラーチル監督の1967年作品。中世を舞台に、宗教ドグマと人間の本性/破戒の対立という普遍的な問題を取り上げる。 舞台は13世紀のチェコ。ミツバチの谷を収める貴族の息子ヴルコフのアンジェイは、父が自分と大し…

韓国映画『不当取引 (生き残るための三つの取引)』

2010年度、最も話題になった韓国映画の一つリュ・スンワン監督の『不当取引(公開邦題: 生き残るための三つの取引)』。国内でも既に4/29より劇場公開が行われた。韓国のネット評では「今年度最高の社会派韓国映画」との評もあったが、その内容は... あらすじ…

思わぬ拾いもの 台湾短編映画集DVD『天黒.夏午.闔家觀賞』

台湾の新鋭による短編映画集DVD。3作品に特に関連はないようだ。いずれも印象的な作品であり、今後の映画界での活躍が楽しみな監督たちだ。 第1作目は張榮吉監督の『天黒(The End of Tunnel)』(2008年, 37分)。盲人の音楽の好きな男子高校生と、失恋の痛手を…

書籍「光州 五月の記憶  尹祥源・評伝」

光州事件の指導者、尹祥源(ユン・サンウォン)の伝記。著者は光州事件の際、彼の側近として活動していた林洛平(イム・ナッピョン)。現在は光州市民団体協議会代表を務めているようだ。 日本で公開された、光州事件を描いた韓国映画『華麗なる休暇(邦題: 光州5…

懐かしいハン・ソッキュ主演の韓国コメディ映画『二階の悪党』

韓国で大ヒットとはいかなかったが、オンライン上で久々に上質なコメディとして評価の高い作品。ハン・ソッキュとキム・ヘスという二人のベテランががっちり組んでいる。 数年前、チャンイン(ハン・ソッキュ)は、古美術商ハム・ギス(パク・ウォンサン)が中国…

韓国電子掲示板よりDVD, Blu-rayの話題

DVD Primeの掲載記事より... 1) 『殺人の追憶』初回版Blu-ray(デジパック)リコール 販売開始後2年以上経った製品だが、再生不良のため、交換リコールを実施。期間は2011年7/1-8/30まで。一旦不良ディスク自体を指定住所に送付すると、正品を送付。但し、海外…

『ラザレスク氏の最期』ルーマニア映画のパワーを示すメディカルブラックコメディ

今、国際的にルーマニア映画のパワーに注目が集まっている。残念ながら日本ではその一端しか紹介されていない。既に本ブログでも触れたクリスチアン・ムンジウ監督の『4ヶ月、3週と2日』、そしてフランス映画として国内でも劇場公開されたルーマニア人の…

ナ・ホンジン監督話題の最新作 韓国映画『黄海』

2010年末に韓国で公開され大きな話題になった『追撃者(チェイサー)』のナ・ホンジン監督の最新ノワール映画。本作は韓国での劇場公開版は156分であったが、のちにディレクターズカット版が発表され、そちらは139分と通例とは逆に時間短縮となった。このディ…

「猟奇的な彼女」のルーツ! 1959年の韓国映画『女社長』

韓国映像資料院、韓国50年代ロマンティックコメディコレクションの中の最も新しい作品ハン・ヒョンモ監督の『女社長』。一言でいえば50年代版『猟奇的な彼女』というところであろうか。 求職活動中の男性、キム・ヨンホ(イ・スリョン)は電話をかけようと街角…