yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2019-01-01から1年間の記事一覧

釜山から対馬へ - 韓国人対象対馬ツアーに参加してみた(1)

韓国人観光客で賑わっていた対馬が、今年(2019年)8月以降の韓国人日本製品ボイコット運動の影響を受けて、客足がぱったり途絶えたとのニュースを聞いて、むしろ今こそ対馬へ訪問するチャンスと、韓国旅行のついでに対馬に行ってみた。といっても対馬に滞在す…

『ロゼッタ』 - ダルデンヌ兄弟1999年作映画

ベルギーのダルデンヌ兄弟による1999年作の作品。アンダークラスの少女が抱える葛藤と閉塞感を彼女の一人称的視点から描く。カンヌ映画祭でパルム・ド・オルを受賞。国内では5年後の2000年に劇場公開。 先日触れた是枝裕和監督の『幻の光』とは全く対照的に…

『親になろうとしてごめんなさい~目黒・結愛ちゃん虐待死事件~』

2019.10.27(日)のフジテレビ、ザ・ノンフィクションは『親になろうとしてごめんなさい~目黒・結愛ちゃん虐待死事件~』であった。船戸雄大被告の実像を追ったプログラムであったが、ここに描かれた船戸雄大被告は決して世間が思っているようなモンスターで…

東京騎士隊(ナイツ) - 海外盤BDしかない日本映画

1961年、鈴木清順監督による日活のプログラムピクチャー。石原裕次郎に似ているというので、裕次郎の弟分として売り出した和田浩治主演の青春アクションドラマ。たわいのない話だが、十分楽しめる出来となっている。 本作品のあらすじはこちら Movie Walker …

『幻の光』(是枝裕和監督) Blu-ray評

2018.5に発売された、是枝裕和監督の長編劇映画デビュー作『幻の光』のBlu-rayディスク。最近になってようやく税込2600円台に下がってきたので注文してみた。元々は1995年に公開され、その当時劇場で見ており、結構好きな作品だったのでアメリカ盤のDVD(国内…

『ゆきゆきて神軍』Blu-rayディスク刊行 - 海外盤BDしかない日本映画

本年(2019)、11月16日に原一男監督の伝説的ドキュメンタリー映画、『ゆきゆきて神軍』のBlu-rayディスクが、イギリスの名画専門ビデオディスク出版社である Second Run から刊行された。主に東欧の映画中心に出してきた同社としては初の日本映画である。世界…

今村昌平のデビュー作 盗まれた欲情(1958) - 海外盤BDしかない日本映画

今村昌平の監督昇進第一作。国内盤はやはりDVDのみで、かつて今村昌平コレクションとして2004年に出されたボックスセットに収録されていたが、長らく廃盤で、今年の5月にディメンジョンのDIGシリーズの一環として復活した。とはいえBlu-rayは海外盤しかない…

Post Mortem - 『ジャッキー』のパブロ・ラライン監督日本未公開映画

Post Mortem - 『ジャッキー』のパブロ・ラライン監督日本未公開映画 2010年に製作されたチリ映画。『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のパブロ・ラライン監督による「チリ独裁三部作」の第2作。1作目は『トニー・マネロ』、第3作は『No』で両作と…

画面の鮮明さに驚嘆 肉体の門(1964) - 海外盤BDしかない日本映画

田村泰次郎の小説「肉体の門」は鈴木清順監督(1964)と五社英雄監督(1977)によって映画化されているが、紹介するのは鈴木バージョン。国内盤はやはりDVDのみである。 あらすじはこちら 肉体の門(1964) Movie Walker https://movie.walkerplus.com/mv21219/ 19…

神々の深き欲望 - 海外盤BDしかない日本映画

返還前アメリカ領であった沖縄八重山諸島で長期ロケを敢行して撮られた今村昌平監督による1968年作品で3時間近い長尺。 あらすじはこちら 神々の深き欲望 - Movie Walker https://movie.walkerplus.com/mv22374/ 本作品は石垣島を中心とする八重山諸島で長期…

哥 (長尺版) - 1972年ATG映画

海外では実相寺「ブッディズム三部作」と呼ばれている最終作。劇場公開作は120分だがBlu-rayのみ137分の長尺版を見ることができる。 本作のあらすじはこちら 哥 - Movie Walker https://movie.walkerplus.com/mv19554/ 実相寺昭雄が演出した『ウルトラマン』…

女囚701号/さそり - 海外盤BDしかない日本映画

日本でDVDは出ているが、Blu-rayは海外盤しかない日本映画を紹介するシリーズ。まずは伊藤俊也監督の『女囚701号/さそり』(1972)である。 あらすじ等はこちら https://movie.walkerplus.com/mv19599/ 女囚さそりシリーズはもちろん当時の日本でもヒットして…

赤い殺意 - 1964年日本映画

今村昌平監督が生前、代表作の一本として自認していたという作品。いくつかの試練を経て、虐げられていて、かつ自己評価も低いある女性が、自分自身を確立していく過程を描いた作品。1960年代前半の世相や当時の女性の位置づけをよく表している一本。また196…

無常 - 1970年 日本映画

1970年、ウルトラマンシリーズの演出で知られる実相寺昭雄によって監督され、ATGによって製作された映画。本作は1970年ロカルノ国際映画祭でグランプリを受賞し、ATGによる低予算の、実験的映画や独立映画に対する支援策の知名度を高め、1980年代まで至るATG…

韓国映像資料院 李晩熙監督『魔の階段』日本語字幕入りBlu-ray刊行 & 8月末youtube公開映画

2019年7月4日、韓国映像資料院から李晩熙(イ・マニ)監督のミステリー映画『魔の階段』のBlu-rayディスクが発売された。もちろん本編日本語字幕付きである。本作の概要は以下の通り。 あらすじ 病院外科科長であるヒョン・グァンホ(金進奎 [キム・ジンギュ])…

韓国映画『ホワイトバッジ』日本語字幕付Blu-ray発売

1992年に作られた、韓国軍のベトナム戦争参戦を扱った韓国映画。また本作の上映は、おそらく韓国軍のベトナムでの戦争犯罪を大々的に扱った、初の機会でもあった。本作品は1992年東京国際映画祭でグランプリを受賞している。 本映画のあらすじ等はこちら 『…

チェコスロバキア映画『大通りの店』

1965年ポーランド映画。日本国内では2005年にNHK BSで放映されたのと、2017年、イメージフォーラムで開かれたチェコ・ニューウェーブ上映会で1回だけ上映された模様。ビデオディスクは国内では出ていない。おそらく、国内で配給権を持った配給会社はないので…

あらためて映画『ガキ帝国』を評価する

先日(2019.7.27)、NHKスペシャルで『半グレ: 反社会勢力の実像』が放映された。振り込め詐欺などの新しい要素が増えているものの、その一方でその本質は、3、40年前の愚連隊の時代からあまり変わっていないのではないか、という印象を強く受けた。その際思い…

韓国映像資料院 8月 youtube公開映画

韓国映像資料院は、2019.8.1 以下の古典映画をYoutube上に公開した。いずれも日本語字幕なし。 雨が降る日の午後3時 비오는 날의 오후 3시 (1959) / Three o'clock P.M. in a rainy day (Bi-oneun nal-ui ohusesi) 最大480p https://www.youtube.com/watch?v…

『表現の不自由展』中止は表現の自由に対する危険な第一歩

「あいちトリエンナーレ2019」で行われている『表現の不自由展』が中止に追い込まれたという。 「表現の不自由展」中止に 少女像作品めぐり抗議が殺到 2019.8.3 朝日デジタル https://digital.asahi.com/articles/ASM833DC1M83OIPE003.html これは、表現…

ジャニーズ事務所へ公取委注意の報道をめぐって

7/17、NHKは、公正取引委員会がジャニーズ事務所に対し、元SMAPの三名に対し出演させないよう圧力をかけたとして注意を行ったと報じた。 「元SMAP3人の出演に圧力か ジャニーズ事務所に注意 公取委」 NHK 2019.7.17 https://www3.nhk.or.jp/news/html/2…

韓国映画『工作: 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』

まもなく(7/19)公開予定の韓国映画。韓国の工作員が北朝鮮に渡って、二重スパイをしながら北朝鮮の情報を得ようとするという、驚きの実話を映画化した作品で、娯楽映画としてかなり楽しめる。韓国の実話をモデルに作った映画というのは、大体過剰に脚色され…

朝日の「誤報」記事がハンセン病家族を救った?

10/9付の朝日新聞朝刊で「ハンセン病家族訴訟 (国が) 控訴へ」との記事が出たが、その日の夕刊で記事訂正に追い込まれた。結局、その日の午前中の閣議で首相が控訴しないという決定をしたためである。 その後の各社の報道で、参院選中なので、控訴した場合の…

フーコー『言葉と物』の日本語翻訳をめぐって(3)

前項より続く 『言葉と物』の日本語訳をめぐって(3) そして、こちら 『言葉と物』渡辺、佐々木訳p. 103下- p. 104上 二次的言語(ランガージュ)によって解釈されるべき言葉 (パロール)の謎に、まだ中性的で特徴のない開いたままの可能性にすぎず、それを現実…

フーコー『言葉と物』の日本語訳をめぐって(2)

(前回より続く) さらに、こちら 『言葉と物』渡辺、佐々木訳 P83上 「古典主義時代のはじまろうとするところで、記号は世界の一形象であることをやめ、それが標識として示しているものに、類似もしくは類縁関係の強固な秘密の紐帯でつながれたものではなくな…

フーコー『言葉と物』の日本語訳をめぐって(1)

最近、25年ぶりぐらいにフーコーの『言葉と物』 (新潮社版、渡辺一民、佐々木明訳) を読み直している。当時は読むのに非常に難渋した記憶があるが、再読しても、特に今 3, 4章に差し掛かっているが、やはり難渋する。何を言っているのか意味不明の個所が何か…

韓国映像資料院 2019.1-7.1までのYoutube公開映画リスト

すべて最大1080p 2019.7.1 ■ヨンジャの全盛時代{デジタル修復版} 영자의 전성시대(1975) 복원본 / Yeong-Ja's Heydays (Yeongja-ui jeonseongsidae) Restoration Version 日本語字幕なし https://www.youtube.com/watch?v=PlPoTeWINSg 柳寛順 유관순 (1959) …

『主戦場』のインタビュイー、ケネディ日砂恵がすっかり右翼から裏切り者扱いされているが...(2)

一方、映画『主戦場』でIWG報告書についてインタビューを受けていたケネディ日砂恵氏のブログを調べてみたら、彼女自身『主戦場』をめぐってさらに記事を書いていた。 HKennedyの見た世界 「映画『主戦場』で言われた「立場の変化」とは」2019.5.23 http://h…

ウル - 辞書にない韓国語

Tokyo MX TVで地上波放送中の『僕は彼女に絶対服従 ~カッとナム・ジョンギ~』を期待せずに録画して見始めたが、これが意外に面白い。韓国のCATV局JTBCが制作し、平均視聴率は3%程度だったらしいが、財閥の息子とどうたらこうたら、というありきたりの展開…

『主戦場』のインタビュイー、ケネディ日砂恵がすっかり右翼から裏切り者扱いされているが...(1)

映画『主戦場』でIWG報告書についてインタビューを受けていたケネディ日砂恵氏について、テキサス親父日本事務局(藤木俊一)のブログでは、容赦なく背信者扱いしている。 「【テキサス親父日本事務局】慰安婦問題 フェイキュメンタリー・フィルム「主戦場」に…