yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「かけがえのなさ」への自覚と映画『そして父になる』

今さら紹介する必要もないであろう、カンヌ映画祭審査員特別賞受賞作。 この作品、以前紹介したスペイン映画『El Bola』と共通する部分がある。両者とも、一方は一見規範に則った正しい家族と、もう一方はいい加減に見える家族が登場し、その二つの家族が対…

11月韓国盤DVD化、韓国映画評

2011年10月に韓国でDVDとして刊行された(される予定)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネチ…

自民衆院勝利ラインは過半数?にそこまでうまくいっていないのかアベノミクス

自民党の衆院勝利ラインは過半数確保、などという話に、野党ほぼ壊滅状態なのにそんなにハードルを下げるのと改めて驚愕。ちなみに現在の議席数は、定数480中、与党326議席(自民295+公明31)の絶対安定多数。 それだけ今の自民党がアベノミクスをうまくいって…

『制服』 - ディアオ・イーナン監督のデビュー作

本作は、ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したディアオ・イーナン監督の長編劇映画デビュー作。 小建[シャオジャン](梁宏理)は母の営む仕立屋兼クリーニング店で働いている。父はエナメル工場で働いているが、今は病気のため休職中。小建はまじめでやや内向…

アベノミクスをもっとも信じていないのは安倍内閣 - 衆院解散

ここ数日あれよあれよというまに衆院の解散風が吹いたと思ったら、あっという間に解散が決定してしまった。しかし11月はじめのNHKの世論調査によると、過半数が安倍内閣任期満了まで解散必要なし、今すぐ解散必要なしを含めると8割程度の国民が解散の必要が…

『ローサ』 - 韓国の人身売買状況を描く作品

ウズベキスタンに住んでいた18歳の少女ローサ((Ruzmetova Dayana)の夢はバレリーナとしてボリショイ劇場の舞台に立って「白鳥の湖」を踊ることだった。ボリショイ・バレースクールに入学するには、ソ連が崩壊した今日、多額の費用が必要だ。その夢を実現する…

『イントゥギ(剰闘技)』 - 韓国「剰余」たちが実社会に仕掛ける闘い

以前の記事でもちょっと触れたが、最近韓国で「剰余(잉여 / インヨ)」という言葉が新しい意味で使われているようだ。もともとは日本語と同じく、剰余、つまり余ったもの、という意味であるが、最近使われるようになった意味では、社会から必要とされない余計…

『シャトルコック』 - 少年の「失楽園」を描いた韓国ロードムービー

「失楽園」の苦しみを経て大人へと成長していく、ある少年のロードムービー。監督は、新鋭の女性監督、イ・ユビン。 再婚した夫婦の元、一つの家族となった、姉ウンジュ (コン・イェジ)、長弟ミンジェ(イ・ジュスン)、末弟ウノ(キム・テヨン)の三兄弟。ウン…

『白日焔火 (邦題: 薄氷の殺人)』- ディアオ・イーナン監督のベルリン国際映画祭金熊賞受賞作

中国映画初のベルリン映画祭金熊賞と俳優賞のダブル受賞した作品。監督は、以前当ブログで『夜車』を紹介したディアオ・イーナン。原題は「白日の花火」の意味。 舞台は黒竜江省。1999年、刑事、張自力 (廖凡) が妻、蘇麗娟 (倪景陽)と離婚した直後に、バラ…

『7番房の奇跡』 - 韓国リベラリズムの浸透を象徴する映画ながらもやや作為的

刑務所を舞台に冤罪をテーマしたファンタジー作品。韓国社会におけるリベラリズム(ネオ・リベではない)の浸透を象徴した作品。監督は『角砂糖』『あいつはかっこよかった』が国内でも公開されているイ・ファンギョン。 あらすじはこちら (Movie Walker) http…