yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2009-01-01から1年間の記事一覧

本年度ベスト台湾映画?『あなたなしには生きられない(No puedo vivir sin ti)』

2009年ベスト台湾映画の呼び声の高い、レオン・ダイ(戴立忍)監督の長編第2作。映画の設定はショーン・ペンが主演で話題をさらった米国映画『アイ・アム・サム』にちょっと似ている。ただし『アイ・アム・サム』が父親が知的障害者だったのに対し、本作品で…

12月の韓国盤DVD化映画評

12月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネチズン…

韓国映画『俺たちに明日はない』

韓国のインディペンデント映画の一編。インディペンデント映画として比較的出来は良く雰囲気はあるのだが、残念ながら社会性に欠ける。これで社会的視点があれば、『グリーンフィッシュ』や『息も出来ない』あたりに迫る作品になれたのだが... ジョンテ(ユ・…

リュ・ジャンハ監督『純情漫画』のバックグラウンド

個人的にはとても気に入った1作品。『春が来れば』のリュ・ジャンハ監督の作品で原作はインターネット漫画だそうである。雰囲気的には岩井俊二監督の『四月物語』あたりの雰囲気にかなり近く、また最近の韓国映画では『私の恋』や『待ちくたびれて』などと…

アンジェイ・ワイダ監督 『カティンの森』

『灰とダイヤモンド』をはじめとする抵抗三部作を撮ったポーランドの巨匠、アンジェイ・ワイダの2007年作品。ソ連によって1940年に引き起こされたカティンの森虐殺事件を扱っている。 映画は1939年9月ソ連とドイツの侵攻に直面したポーランドから始まる。ソ…

素朴さが持ち味 - 朝鮮族高校生の初恋を描く『青い河は流れよ』

中国吉林省延辺の高校を舞台に高校生のカップルと彼らを取り巻く社会情勢を描いた作品。高校生のカップルの関係危機に最近中国朝鮮族を取り巻く急速な社会情勢の変化を絡めて描いている。原作は2002年に発表された朝鮮族作家の書いた小説だが、製作スタッフ…

メキシコ越境者を追うドキュメンタリー『De Nadie (越境)』

中米からメキシコに越境し、4000kmを通過して合衆国に向かう越境者は毎年20万人にも上るという。本作品はこれらの越境者を追った作品。 本作品でインタビューに応じているの越境者は、ハリケーンのため家を失い、病気の夫や子供たちをホンジュラスに残してア…

11月の韓国盤DVD化映画評

11月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネチズン…

パン・ホーチョン監督作品ようやくDVDリリース

東京国際映画祭常連ながら、一向に一般公開されないパン・ホーチョン監督作品だがようやく『イザベラ』がDVDリリースされる模様。そういえば公開予定と言っておきながら一向に公開されない『ビヨンド・アワ・ケン』はどうなったんだ。ともあれDVDリリース祝…

ポン・ジュノ監督最新作『マザー(母なる証明)』

『フランダースの犬(吠える犬は噛まない)』『殺人の追憶』『怪物(グエムル)』のポン・ジュノ監督の最新作。 あらすじ紹介は、下記の公式サイトを参照されたい。 http://www.hahanaru.jp/top.html ポン・ジュノ監督作品の特徴は常に映画のステレオタイプを打…

不仲の異父姉妹二人のロードムービー 『今、このままがいい』

本作品も人権啓蒙的視点のある作品。話は仲の悪い異父姉妹が、母親の死後父親探しの旅に出るというロードムービーだが、最後に驚きの大逆転がある。 30代のミョンジュ(コン・ヒョジン)と20代のミョンウン(シン・ミナ)は、容貌も性格も全く異なる異父姉妹。姉…

相変わらずのホン・サンスワールドの炸裂 『よく知りもしないで』

文化人の端くれである男が、あっちの女、こっちの女とふらふらさまよい歩く姿を描く、青少年観覧不可の相変わらずのホン・サンスワールド。今回の主人公はキム・テウ。 芸術映画監督のク・キョンナム(キム・テウ)は、堤川(チェチョン)で開かれる映画祭の審査…

外国人労働者に焦点を当てた韓国映画『バンドゥビ』

韓国においても、日本同様海外から多数の外国人労働者が流入してきている。これらに焦点を当てた映画としてかつて国家人権委員会が人権啓蒙の一環として製作したオムニバス映画『六つの視線』(邦題は『もしあなたなら』)の中でパク・チャヌクが撮った『NE…

アンゴラ映画『Hollow City (虚ろな都市)』

本作品は2004年に製作されたアンゴラ映画で、アンゴラで初めて製作された映画3本の内の1本である。テーマはアンゴラ内戦で首都ルアンダに避難してきた少年がルアンダで自分の行く先を文字通り見失ってしまう姿を描いた作品である。 1991年、アンゴラ内戦がま…

韓国映画『夕立』 リマスター版DVD発売

コ・ヨンナム監督の1970年代の名作『夕立(소나기)』のリマスター版DVDが韓国映画資料院より出された(販売 Blue Kino)。『夕立』は韓国の国語の教科書に採用されるほど有名な短編小説。それを映画化した本作品もヒットし、386世代の心に残るなつかしの名画と…

時代劇より完璧な(?)時代劇的現代劇『ベートーベン・ウィルス』 -韓国ドラマ-

内容が感動的だと評判を呼んでいる韓国ドラマ『ベートーベン・ウィルス』。遅ればせながら見てみた。本ドラマのドラマ構造的特徴は、現代劇にも拘わらず、韓国時代劇的構造を持っていることにあると思われた。 韓国の時代劇ドラマの特徴として第一に挙げられ…

10月の韓国盤DVD化映画評

10月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネチズン評価の平均値(満…

力強い名作 『糞バエ(息もできない)』 -韓国映画-

バイプレーヤー俳優として主に活動してきたヤン・イクチュンの初長編監督作品でインディーズ映画として製作された。本作品はロッテルダム国際映画祭他、国際的に高い評価を得た作品だが、それも納得の名作と言える。 舞台はソウル南西部、工場労働者地帯の九…

チェ・ミンシク4年ぶり出演映画 『風がとどまる場所ヒマラヤ』

『鳥は双曲線を描く』『黒い土の少女』などで知られる、インディー映画監督、チョン・スイル監督の最新作。『シュリ』等で知られるチェ・ミンシクの久々の映画出演作でもある。 サラリーマンであり、キロギ・アッパでもあるチェ(チェ・ミンシク)は、会社から…

CATV用パナ製STBにシャープ製BDレコーダを接続

地上デジタルTV難視聴のため最近やむを得ずCATVに加入。でこのパナソニック製CATV用セットトップボックス(以下STB)に接続できるBDレコーダはと探すと、なんと(デジタルのレコーディングで)接続が保証されているのはパナのレコーダのみ。しかもi-Link接続可能…

都心無人島ライフ映画『キム氏漂流記』

2009年に韓国で公開された都心の無人島(!?)ライフを描いたコメディ映画。くすくす笑いを誘発しながらも心温まるコメディ映画と言える。 キム・ソングン(チョン・ジェヨン)は会社をリストラされた上に、彼女には去られ踏んだりけったり。その結果サラ金から借…

三池崇史監督『オーディション』米国盤Blue-ray発売

三池崇史監督のカルト的傑作『オーディション』(1999)のBlue-ray盤が近くアメリカで発売される。こちらのほうにBlue-ray盤の批評が熱く語られている。 http://www.dvdtalk.com/reviews/38501/audition-collectors-edition/ 同マスターのDVDも同日出るようだ…

1970年代韓国青少年映画の代表作『高校ヤルゲ』

1970年代後半、韓国映画界でハイティーンを対象とした青少年映画ブームが起こったという。本作品はこの青少年映画ブームの嚆矢にして、代表作と言うべき歴史的作品である。 舞台はキリスト教系私立男子高校。そこに二人の落第生問題児がいた。一人はドゥス(…

日本語主語不要論をめぐって...

日本語と韓国語の文法的な違いの確認をしがてら、主語不要論を論じた三上文法の再評価を主張する、金谷武洋氏の「日本語に主語はいらない」(2002, 講談社)を読み直し日本語主語不要論に関して考えを巡らせてみた。また最近、やはり日本語主語不要論を主張す…

橋口亮輔監督第4作『ぐるりのこと。』

同性愛であることをカミングアウトしている橋口亮輔監督の長編劇映画第4作。製作はかつて土本典昭監督らの水俣病や原爆ドキュメンタリー映画を数々作ってきたシグロ。 あらすじについては下記を参照。 http://www.gururinokoto.jp/story/index.html (『ぐる…

コミックスリラー映画?『極楽島殺人事件』

孤島を舞台にした連続殺人事件を描くミステリー映画。連絡が途絶した閉塞状況を舞台にした殺人を描いた韓国映画と言えば、コン・スチャン監督の『Rポイント』『GP506』が思い浮かぶが、本作品、それにコミックな要素を付加した亜流と言えるかもしれない。監…

9月の韓国盤DVD化映画評

9月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネチズン評価の平均値(満点…

サローヤン原作ロシア映画『The Banishment』

アメリカの小説家サローヤンの小説をベースにしたロシア映画『Banishment(追放)』。もつれた結婚生活を描いた作品。 アレックスとヴェラ夫婦は二人の子供をつれて都市を離れ、アレックスの田舎に移住する。一見仲のよさそうな夫婦だが、やがて家族内のコミュ…

株取引をテーマとした韓国映画『作戦』

本作品は韓国映画界で初めて株式市場を舞台にした作品1)。 大学で演劇を専攻していたカン・ヒョンス(パク・ヨンハ)は大学卒業後会社勤めを経験したが上手くいかない。その一方で大学時代の友人から株式投資を一緒にしないかと勧められる。そんな彼らを信頼し…

Microsoft Office使用中止のバックグラウンド

マイコミジャーナル2009.9.18付記事によるとIBM社員36万人がMicrosoft Officeを使用中止し、Lotus Symphonyへ乗り換えることになったという。 「IBMの社員36万人がOfficeからSymphonyに乗り換え」マイコミジャーナル 2009.9.18 http://journal.mycom.co.jp/n…