yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

韓国映画 『過速スキャンダル』 (感想のみ)

既に国内封切りされ、DVDまで出ているので、簡単に感想のみ。 あらすじを知りたい方はこちら http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD15874/ まずこの映画、脚本が良い。例えばファン・ジョンナムに思いを寄せるパク・サンユンの、ジョンナムに対す…

辞書を信じないで下さい その2 キョンシン? ケンシン?

先日韓国語ネイティブの方と話をしていたところ、、「更新」の韓国語読みは、単に改めるという意味では갱신 (例えば、運転免許証を更新する、というような場合)、新しく打ち立てる(例えば、世界記録を更新する、というような場合)は경신だ、という様な話が出…

4人の出口のない愛情を描いた韓国映画 『内部循環線』

2005年制作の韓国インディーズ映画。終着点が見えず、ぐるぐると当てもなく彷徨う愛情の模様を、ソウル地下鉄2号線(内部循環線)に象徴させて描いた作品。因みにソウル地下鉄2号線とは、ソウルにおける山手線のような存在。 男のヨンジュ(ペ・ヨングン)はソウ…

2009年最良の英国映画との呼び名も高い『Fish Tank』

2009年最良の英国映画の呼び名も高い本作。2009年カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したほか多数の国際映画祭で賞を獲得している。金魚鉢に閉じ込められるように経済的文化的貧困に閉じ込められた少女が、そこから脱出しなければと気づき、脱出しようともが…

8月韓国盤DVD化、韓国映画評価

本文 8月に韓国でDVDとして刊行された(される予定の)韓国映画の、韓国の映画情報サイト、シネ21(一部ダウム映画)における評価を以下にまとめてみた。以下、発行日は Yesasiaサイト記載の発行日、分野はシネ21の区分によるもの、評価平均は評論家及び一般ネチ…

『楽園の疵(東邪西毒) 終極版』に ううーむ...

王家衛(ウォン・カーウァイ)が1994年に製作した『楽園の疵』。それを2年前(2008)にREDUX(終極版)として再編集したのが本作。二年前にアメリカ盤DVDが出て、ちょっと高いなぁ、そのうち香港盤が出たらもっと安くなるだろうな... と思って見送っていて、香港…

2010年上半期台湾大ヒット映画 『一頁台北 (さよなら台北)』

本年度ベルリン国際映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞した台湾映画。台湾でも今年大ヒットとなった作品。夜の台北の街をファッショナブルに描いたロマンス&活劇映画。 小凱(姚淳耀)は大学を卒業したフリーター。今は家業の中華そば店で仕事を手伝っている。…

現在でもアルゼンチン理解のための最重要映画『オフィシャル・ストーリー』

1985年、ルイス・プエンソ監督によって撮られたアルゼンチン映画。軍事政権によって虐殺された人々の養子にやられた子供の問題を描いた作品。国内では1987年に松竹富士によって配給され、VHS、レーザーディスクも刊行されたが、今日では配給権切れとなってお…

理想主義への不信...『コドモのコドモ』と『パリ20区、僕たちのクラス』の共通点

萩生田宏治監督の2008年公開映画『コドモのコドモ』。原作はさそうあきらのマンガ。様々な問題提起を含んだ作品である。 『コドモのコドモ』あらすじ goo映画 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD13069/story.html 原作マンガを読んでいないので…

野生生物と人間との関わりを糺すドキュメンタリー映画『惜別』

2001年に製作された本作を初めとする「野生三部作」ドキュメンタリーで知られるファン・ユン監督。本作はその「野生三部作」の第一作目。山形国際ドキュメンタリー映画祭優秀賞、釜山国際映画祭雲波賞、ソウル独立映画祭観客賞を受賞している。 本作品は主に…

失業を家族に告げられない男を描く『日課 (l'emploi du temps)』

やはり『パリ20区、僕らのクラス』のローラン・カンテ監督による作品。失業してしまったがその事実を家族に告げられず、仕事をしているふりをして悪あがきをする男を描いた作品。 企業コンサルタントだったヴァンサン。彼は会社解雇後もその事実を家族に告げ…

韓国国家人権委員会長編映画『飛べ、ペンギン』

『六つの視線(公開邦題、もしあなたなら)』以来複数監督によるオムニバスの人権広報映画を製作してきた韓国国家人権委員会。本作は初めて一人の監督に任せた長編映画で、監督は『六つの視線』のうち「彼女の重さ」を撮ったイム・スルレ。 監督インタビューに…

パリ郊外、移民少年の気持ちを描いた『L'Esquive』

東京国際映画祭にも出品された『クスクス粒の秘密』のアブドラティフ・クシシュ監督の2004年の作品。フランス、パリ郊外のHLM(低所得者向け公営高層団地)に暮らす少年たちの日常を描いた作品。 クリモ(Osman Elkharraz)は、パリ近郊HLMに住むマグレブ系移民2…

臓器売買、爆弾、自殺... 少年を取り巻く行き詰まる環境を描く『普通の少年』

ソウル芸術大学映画学科特性化プロジェクトと銘打って、学生 or 卒業生に長編デジタル映画を撮らせて支援するプロジェクトで作られた作品。行き詰まる日常の中で行く道を失っていく少年たちの姿を描く。 主人公であるムンシクは父母が借金のため家を出て逃亡…

松田美智子著 「越境者 松田優作」に見る在日としての松田優作の苦悩

松田優作の元妻、ノンフィクション・ライターの松田美智子による松田優作の評伝。松田優作が自分の朝鮮人&私生児という出自に悩み、それを何とか克服しようと苦しんでいた様を描いている。 本書を見ると松田の母かね子および元夫は朝鮮人で、元夫松田武雄は…

雲南省の巡回法廷を描いた中国映画 『馬背上的法庭(馬の背上の法廷)』

2006年中国映画。雲南省の山間部、少数民族が居む地域を馬で移動する巡回法廷の判事たちの姿を描いた作品。なお、この様な巡回法廷は実際に存在し、本作品とは別に、2008年、NHK BS世界のドキュメンタリーの枠の中で「馬上法廷がゆく」というドキュメンタリ…