yohnishi’s blog continued

webry blog から引っ越してきたブログです

ルーマニア

『California Dreamin'』 - ルーマニアのアメリカへの複雑な感情を喜劇で描く

2007年のルーマニア映画。非常に残念なことに本作を監督したクリスチャン・ネメスク監督の遺作になってしまった。ルーマニアの人々のアメリカへの複雑な感情を喜劇で包んだ作品。日本の戦後の記憶がある人々にとっては共感できる部分も多々あるだろう作品。 …

『トラフィック』- ルーマニア・ニューウェーブ映画発見の契機となった短編映画

先日紹介した、「Bonjour Tristesse」サイトにおける記事によれば、ルーマニア・ニューウェーブ映画の発見の契機になったのは、2004年のカンヌ国際映画祭においてカタリン・ミツレスク監督の『トラフィック』が最優秀短編映画に選ばれたのがきっかけだという…

『俺の笛を聞け』- ルーマニア・ニューウェーブ映画の大傑作

ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した、ルーマニア・ニューウェーブ映画の一作で、監督は、これが長編デビューのフローリン・セルバン。国内で公開されたのを知らずにイギリス盤DVDで鑑賞したが、熱帯美術館の配給で今年8月国内公開されている。おそらく国内…

ルーマニア・ニューウェーブ映画とは

2000年代後半よりルーマニア映画の新しい流れが世界的に注目されている。国内でもこのニューウェーブの一環である『4ヶ月、3週間と2日』(監督)が公開されまたこの流れを汲む、ルーマニア人監督ラデュ・ミヘイレアニュによるフランス映画『オーケストラ』が公…

『クリスマスの次の火曜日』- ルーマニア版「ウホッホ探検隊」

『ウホッホ探検隊』という根岸吉太郎監督/森田芳光脚本(主演、十朱幸代、田中邦衛)の映画があった。惜しくも若くして亡くなった干刈あがたの自身の離婚体験を元に描いた同名の小説が原作である。映画も小説も良かったのだが、内容を必ずしもわかりやすく表現…

退屈かつナンセンスな平刑事の日常 ルーマニア映画『Police, Adjective (平刑事)』

『ブカレストの東、12時8分』のコーネリウ・ポルンポユ監督、2009年作品。警察における官僚意識を批判した作品。 クリスティ(Dragos Bucur)は若い平刑事。高校教師の妻、アンカ(Irina Saulescu)との二人暮らし。最近彼は上司の命令で高校生の尾行を行ってい…

『ラザレスク氏の最期』ルーマニア映画のパワーを示すメディカルブラックコメディ

今、国際的にルーマニア映画のパワーに注目が集まっている。残念ながら日本ではその一端しか紹介されていない。既に本ブログでも触れたクリスチアン・ムンジウ監督の『4ヶ月、3週と2日』、そしてフランス映画として国内でも劇場公開されたルーマニア人の…

クリスチャン・ムンジウ監督の最新作『黄金時代の伝説』

『4ヶ月、3週と2日』で衝撃的な日本デビュー(?)を飾ったクリスチャン・ムンジウ監督の2009年作品。緊迫感あふれる前作とはうって変わった、チャウシェスク時代を舞台にした脱力系オムニバス・コメディ。 この作品で言う、「黄金時代」とは、80年代チャウシェ…

ルーマニア映画『4ヶ月、3週と2日』

先日紹介した映画『12:08 ブカレストの東』のルーマニアつながりで本作品。2007年カンヌ映画祭パルム・ドール受賞作だが、それにふさわしい作品。日本でもすでに国内公開されDVDも出ている。チャウシェスク政権下、まだ堕胎が犯罪とされていた時代(1987年)の…

ルーマニア革命をおちょくった脱力系コメディ映画 『ブカレストの東、12時8分』

2006年ルーマニアでインディペンデント映画として製作された脱力系ブラックコメディ。1989年のルーマニア革命を題材にしている。同年のカンヌ国際映画祭でカメラ・ドール(新人監督賞)受賞作品。日本では未公開。 1989年12月22日、12時8分。ルーマニア革命に…