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業者と依頼主の相性も大事 - わが家をリフォームしてみて(7)

 今回選んだ工務店さんは、以前頼んだリフォームは、結構しっかり工事をしてくれていたという実績があったとはいえ、最近普及してきたリフォーム瑕疵保険もなく、また見積もりもなんとなく遅れてしまったという不安材料があった。それにもかかわらず選んだのは提案力があった点(我々の不満の根本部分原因を考慮した思い切った提案)、それにやたらに高いものを勧めず直言してくれるという部分を評価してのことであった。

 果たしてその選択が吉と出たのか凶と出たのか...

 結果論で言うと、現段階ではまずまず満足している(今後問題が出てくるかどうかは分からないが...)。ただ、率直に言って我々の決定の仕方は必ずしも優等生的なものではなく、多分に幸運に助けられた部分があったと思う。今回選んだ工務店さんも、我々にとっては結果的にとても良かったと思うが、万人にこの業者さんを薦められるかというと、難しい。相性の合わない人には、ネガティブという判断も十分ありうると思う。

 一つの誤算はやはりこの工務店さんが以前頼んだときと体制が変わっていたこと。これも後から分かったことだが、以前は比較的細かい性格の大工さん出身の社長と、細かい点はアバウトだがアイディアマンで、モノを見るセンスのある専務、そして2級建築士の資格を持ってその仕事をサポートする専務の息子の三人体制であったが、社長が亡くなったり業務量の減少から、元専務が社長に昇格した一人工務店体制になっていた。

 そのため良くも悪くも元専務の社長さんの性格が強く反映した仕事ぶりになった。

 困った点としては、この社長さん、日本人とは思えない韓国人のようなアバウトな性格なので、急に予定が入ったり、変更になったりすることが度々。工事に入るまでもうしばらくかかるのかなと思っていると、「あさってから工事を始めます」はいいほうで、「明日から工事入ります」と大概直前に連絡が来る。一応工事日程を聞いていても、急に職人さんが来られなくなった or 来られることになった、モノの手配が間に合わなかった or 早く来すぎた が頻発し、ほとんどあってなきがごとし。予定が立たない。3月末から4月はじめの年度切り替わりの忙しい時期に工事が重なったこともあって、アバウトなのには慣れているはずの家内もさすがに、社長に振り回されている、と一時泣き言を言っていた。

 あとは、この社長さん、あまりメモを取らない。それでこちらの依頼を口頭で伝えるだけでは忘れたり、現場の職人さんに指示が伝わっていないこともあったので、結局自衛のため必ずこちらでメモを書いて渡すようにした。

 ただアバウトだということは、逆に言えば臨機応変に対応してくれるということ。家内も現場でいきなりやっぱりこうして欲しいと言い出すタイプなので、それに文句を言わずに可能な限り気持ちよく対応してくれたのはありがたかった(但し、そういう追加工事は当然工事費増の結果を招く)。

 ただこれも本来ならば事前でよく考え、打ち合わせを重ねた上で、追加工事は極力抑え、契約通りきちんと済ませるというのが、日本人的・優等生的なソリューションだろう。

 また、クリナップのキッチンに変更したときも、社長に最初にどれぐらいの掛け率で入るか尋ねると、6割弱ぐらいで入ると思う、との答えだったので、そのつもりでお願いしたところ、後で、いやー、実はあの掛け率じゃ全然儲けなしなんだけど、言っちゃった以上それで入れるよ、などということも。

 それに、お客さんの事情や立場をよく考えた上で提案や意見をしてくれる点も良かった。ここにお金を掛けてもムダではないかとか、それはやる価値がある、という意見を、ただ高いモノを勧めるということではなく、忌憚なく言ってくれた。

 あとは商品の売れ筋をよく知っていて、モノを選ぶセンスも良かったと思う。特に、床、壁、天井などはサンプルと実際に施行した後のイメージが大きく違う。サンプルよりかなり明るくなるのだ。キッチンの床のフローリングについては、キッチンが暗いのは良くないので明るめのをと思ってサンプルから選んだところ、社長さんがもう少し暗めの方が良いのではとのアドバイス。しかし結局、我々の意見を押し通したところ、イメージ的には床がかなり明るくなる過ぎ落ち着かなくなってしまった。しかも小さなサンプルが、大きくなるとイメージ的にはかなり明るくなり、本当に自分たちが選んだものとは思えないほど。これはアドバイスに従った方が良かったと後悔した。全くの素人がサンプルだけ見て色や模様を選ぶのはかなり難しく、経験者のアドバイスをなるべく尊重すべきだと痛感させられた。

 この社長さん、抜けている部分もあるとはいえ、顧客の要望を上手く整理し、その気持ちを汲み上げた仕事をしようという思いがある点にはとても救われた。反面、昔ながらの仕事ぶりなので、ある意味人と人との信頼関係に依存しているところもあり、見積もりは出してくれたが、きちんと契約書を詰めて交わしたり、あるいはリフォーム瑕疵保険のようなシステム的な対応という意味では不足している部分もあった。

 やはり人間のやることだから、長所もあれば欠点もある。この社長さんの欠点に多少目をつぶり、良い点を高く評価できる客ならこの業者さんに頼んで良かったと思えるだろう。一方、ある程度前にきちんと工期予定が立ち、かつ予定通り工事が進まなければどうしても許せない、あるいは、システム的対応がきちんとしていないと不安という客にはこの業者さんは勧められない。やはり人間同士の相性の問題が大きい。

 もちろん従業員が何人かおり、相互に欠点を補い合いながらチームワークを発揮できる業者であり、しかもシステム的な対応もきちんとできているならそれに越したことはないのであろうが。

 それからこの工務店の仕事を委託された職人さん、特に大工さんが良かった。この大工さんは工務店の社員ではないが、今はこの工務店の大工仕事を一手に引き受けている(他の仕事も請け負うことがあるとのことだが)。

 仕事ぶりは丁寧・確実で迅速。また今回間取り変更を伴う工事で、実際に壁を剥がして、いじり出すと、見ているこちらも本当に構造的に大丈夫なのか不安になってくる。その場合も、こういう構造で力を逃がしたり支えるようにしている、と整然と丁寧に説明してくれる。またアバウトな社長と異なり、きめ細かな性格で、大工さんが現場に来ているときは社長の抜けている部分を補って実質的に工程管理的な役割も果たしてもらえ、非常に仕事ぶりに信頼が置けた。とりあえず満足のいく仕上がりとなった功績の2/3ぐらいは、この大工さんの腕と働きにかかっていたと思う。家造りの経験もかなり長いということだった。

 家内もこの大工さんの仕事ぶりに大ファンになり、大工さんが仕事をしにくるのを心待ちにするほどであった。

 リフォームの仕上がりは、結局は現場で働いてくれるスタッフの腕や人間性に左右される部分が一番大きいとつくづく思わされた。決して営業担当の印象や話術で決まる訳ではないのだ。逆に言えばリフォーム会社の実力とは、質の良い職人さんをきちんと確保できるネットワークを持っているかどうかにかなりかかっていると言っても過言ではないだろう。

 ただ、素人がリフォーム業者の実力を見分けるのは、正直とても困難だと思う。今回のリフォーム工事、とうてい自分たちに業者さんの実力を判定する力はないので、そのキャラクター(ならびにそれを判断する自分たちの鑑識眼)に掛けた選択だった。その選択法も、自分たちの目が節穴で失敗する可能性は低くはなく、幸運だったとも思ってもいる。

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